日々雑感 DiaryINDEX|back|next
『ゲド戦記』を久しぶりに読み返してみたら、もうどうにも止まらない。成人となったゲドが「真の名まえ」を授けられるところを始めとして、いくつかの場面ではほとんど泣きそうになる。仕事の合間にちょっとだけと思って手を伸ばしたのが失敗だった。気がつくと日も暮れている。時代も言語の違いも越えて残ってゆく本というのは、ほんとうにわずかだと思うけれども、『ゲド戦記』は間違いなくその中に数えられると思う。多様な読みを受け入れ、かつ自身は揺るがない、力ある物語だ。
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