友人が上京してくるということで、あわてて部屋の掃除。布団を干す。窓も開ける。通りの向こうで白梅が咲いている。いろんなものの気配が溶け出してきたような春の空気の匂いだ。この匂いがすると気持ちがざわざわしてくる。どんな方向にであれ、とにかく何かが動き出す季節である。なぜだか眠い。冬眠からさめる間際の動物のように、夢うつつの日々。