日々雑感
DiaryINDEX|back|next
駅からの帰り道、家と家に挟まれた細い路地を歩く。不意に、上のほうからしゅるしゅるという音。見上げると、電線の上を小さな生き物が渡ってゆく。ネズミのような、イタチのような、リスのような、小さな影(暗いのでよく見えない)。すごいスピードで走って、片方の家の屋根にトンと着地した。一生懸命伸び上がって眺めたが、行き先はわからず。街の中には、まだまだ正体のわからないものがたくさん潜んでいるのかもしれない。
今日発売の「週刊文春」を立ち読み。「日記 つけるヨロコビ・読む楽しさ」という座談会が目当てである。メンバーが赤瀬川原平、荒川洋治、川上弘美ということで、どことなくのんびりとした感じがしていい。
「憩いのために日記を書いている」という荒川発言を受けて、座談会には「日記・晩酌説」が出てくる。
荒川「一日の仕事が終わった後に、あ、今から日記書くんだと思う時の幸せってないんです。もう本当にそのために生きてると思うくらい。時間にすればほんの二、三分ですけどね(後略)」 赤瀬川「晩酌みたいなものですね(爆笑)」 荒川「僕、お酒飲みませんからね」
これに対して、めったに日記をつけないという川上弘美、「じゃあ、お酒飲んでればつけないでいいんですね」。
他に「日記・生け花説」も出てくる。「一日の生活の中から、ちょっと一輪だけ花を摘んで生ける。あとはバサッと捨てる。駄目な枝は捨てて、これだけを載せるっていう選択というか、美しさみたいなものが似てるような気がする」(赤瀬川)
両方とも「なるほど」と思うけれど、自分はどちらかといえば「日記・生け花説」寄りかもしれない。書くときにはいろんなものを捨てている。それに、お酒を飲んでもやっぱり書いている。
|