日々雑感
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2002年03月29日(金) 縁結び神社

友人の運転する車に乗って出かける。顔をあわせるのはお正月以来だ。

目的地は県南の山のほうにある神社。友人が「縁結び神社 秋田」の項目でインターネットを検索したら、その神社が一つだけ出てきたという。はっきりした場所はわからないということで(地図にも載っていない)、勘と方位磁針を頼りに車を走らせる。

道を間違えたり、後戻りしたりしつつ、ようやく目的地の神社にたどりつく。山裾に古い木造の鳥居。しかし、前までいって呆然とする。鳥居をくぐるとすぐに急な石段になり、それが暗い杉の林を抜けて、山のずっと上のほうまで続いている。加えて、深い雪がその石段を覆い、これではとても上までは行けない。

せっかくたどり着いたのにねと言いながらうろうろしていたら、社務所から女の人が出てきた。「どうされました。」お参りに来たというと、どうぞと言って社務所のそばの建物を開けてくれる。どうやら、そこでもお参りができるらしい(冬季期間限定か)。

どこから来たのかと聞かれて答えると、「わざわざそんなところから」という感じでびっくりされる。はるばる山や川をいくつも越えてきて、よっぽど気合が入っていると思われたのだろうか。「せっかくだからどうぞ」と言って、神社のお守りを渡してくれる。

鳥居のあたりを歩いてみる。雪と枯れ草の間から、ぽこぽことふきのとうが見えている。やわらかい緑色。桜の木も何本もあったけれど、まだ固いつぼみらしきものが現れ始めたばかりで、満開の時期は遠いだろう。山の奥では、春はゆっくりやってくる。

帰りは海沿いの道を行く。雪に覆われた鳥海山が陽の光に白く浮かび上がる。春のはじめの薄い空と海の色だ。

夜、地元に戻って軽く飲む。渡されたお守りを眺めつつ「縁」についていろいろと語る。山奥の縁結び神社の効果は果たして。


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