日々雑感
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2002年03月28日(木) 猫のおじいさん

実家。雪もすっかり消えて、枯れ草の間から黄色や紫色のクロッカスがのぞいている。温まった土の匂いがする。

窓の外を見ていると、キジの雄がやってくる。キジも孔雀と同じように、雄がきれいな羽を持ち、雌は枯れ草と同じ地味な色をしている。雄は、辺りの様子をうかがいながらうろうろと歩き回っていたが、ガサガサと音がしたと思うと、やぶの中から雌が現れた。後から後からどんどん出てきて、数えたら雌ばかり六羽もいた。キジは一夫多妻制なのか、それとも一羽以外は子どもたちなのか。

小さい頃から、いろんな生き物があたりにいた。キジの他に、いたち、ヘビ、キツネ(友人と林の中を探検しに行って発見した)、なぜか大きな亀が現れたこともある。あれはどこから来た亀だったろう。近所に住むおじいさんが甲羅を抱えて海へと帰しに行ったのを覚えている。

猫を何匹か飼っていたので弟といっしょに「猫のおじいさん」と呼んでいた人だ。犬や猫をいつも傍らにはべらせていたり、ケガをしたカモメを連れてきて手当てしたりと、まるで「動物つかい」のようで、ドキドキしながら(そして尊敬もしつつ)、おじいさんのことをいつも見ていた。

「猫のおじいさん」は今も元気で、ときどき犬の散歩をしている姿を見かける。噂では、庭でハーブも育てているらしい。何十年か後にふと訪ねても、まったく変わらずにそこにいるのではないかと思ってしまうような人。

夜、テレビで「サウンド・オブ・ミュージック」を観る。何度観てもいい。


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