日々雑感
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2002年03月15日(金) ウィーンと台湾料理

新宿で友人の送別会。彼女は昨年の秋にオーストリアの人と結婚したのだが、いろいろな準備をすませて、来週本格的にウィーンへと引っ越すのだ。

場所は西新宿の台湾料理屋。小さなお店だが、19時すぎには満員となる。ピータン、「手で持って食べてください」という春巻き、筍や鶏レバーを湯葉で包んで揚げたもの、焼ビーフン、それに豚足や豚の耳など、どれもおいしい。滋味豊かという感じがする。デザートに食べた「仙草」という黒いゼリーはゲンノショウコのような味がした。薬草っぽい風味。「こういう料理もしばらく食べられなくなるなあ。」と友人が言う。

彼女からは、結婚生活とか、海外で暮らすとか、そういったことに対する不安や気負いのようなものはまるで感じられなくて、ものすごくしっかりとこれからの生活や自分自身の考えを見据えている。昨年出席した結婚式で見た結婚相手を思い出す。しっかりした彼女と、とにかく元気で「やんちゃ」という印象がある彼と、よいコンビだった。嬉しくてたまらないといった感じの二人の表情が忘れられない。

帰りはJRの新宿駅まで歩く。高層ビルのずっと上のほうまで、まだ灯りがたくさんついている。駅構内でアイスクリームを食べたあと、逆周りの山の手線に乗る彼女と階段前で別れる。「またメール書くからね。」これから遠くへ行くのだという気がしない。また来週あたり、どこかでお茶でも飲んでいそうな気がする。ウィーンを「遠く」と感じさせないのは、彼女の軽やかさのせいだろうなとぼんやり考えつつ、ひとり電車に揺られて帰る。


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