日々雑感
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2002年03月06日(水) 先生の部屋

大学へ行く。よく晴れているので一駅分歩く。

用があって教授の部屋へ。狭いが、眺めのよい部屋だ。窓からはずいぶん遠くまで見渡せる。構内でいちばん桜がよく見えるというのが先生の自慢だが、今はまだ、通りやそこを歩く人の影が葉のない枝から透けている。もう少したてば、眼下はいちめんの桜の花以外何も見えなくなるだろう。

窓以外の壁は全部本棚になっていて、ぎっしり本が詰まっている。真ん中にはベンヤミンの小さなポートレート。先生のアイドルか。

推薦状を書いてもらう。いくつかの質問項目の中に「心身ともに大人であるか」というものがあって「こんなこと聞かれても困るよな」と笑う。確かに困る(心身ともに大人って何だ)。

書き上げた推薦状をその場で渡してくれる。帰りの電車で読んでみると「おいおい」と思うようなことが書いてあるが、ありがたく受け取っておく。さすが教授、推薦状は書きなれてるのだろう。ハッタリのきかせ方のうまさに感動する。

帰り道。いちばん早く花が咲いた梅の木は、もうほとんど散っている。ぼうっと霞んだ春間近の夕方。


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