日々雑感
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渋谷へ行く。はじめにブックファーストへ。最近は本屋というと、ここに来ることが多い。
2階の文庫・文芸書フロアーをぐるぐる周っていたら、隅の方に日記本コーナーができていた。荒川洋治の新書『日記をつける』から始まって、みうらじゅん、深沢七郎、武田百合子の『富士日記』、坪内祐三『三茶日記』、大岡昇平『成城だより』(これは面白い)などいろいろ。他にもあったけれど、名前を忘れてしまった。ずいぶんたくさんあるものだ。コーナーの中から『犬が星見た』武田百合子(中公文庫)を買う。ロシア旅行記。
ついでに、立ち読みして心惹かれていた『素白先生の散歩』岩本素白(みすず書房)も思い切って買う。みすず書房の「大人の本棚」シリーズの一冊だが、このシリーズはどれも面白そうで心惹かれる。
次にHMVへ移動。CD屋は久しぶりだ。探しているCDがあったので、クラシックのコーナーへ行く。エスカレーターで何階分も通り過ぎていちばん上につくと空気が違う。音は流れているけどなぜか静かだ。
CDを探しながら歩き回る。ピアノ曲がずっと流れていて(名前はわからない)、ああ、いいなあと思った。すとんと入ってくる。そのときの自分の状態にちょうどあった音楽を聴くと、それこそ身体にしみこむように感じることがあるけれど、だとすれば、今はピアノ曲モードなのか。小沢健二の新譜にも惹かれるが、こっちは今日は見送り。
帰りの電車で『犬は星見た』のあとがきを読んでみる。2ページ足らずの短い文章だけれども、読んだあと、しんとした気持ちになる。最後の一文がすばらしい。どうすれば、こんな言葉が出てくるのだろうと思わせるようなフレーズ。
音楽も文章も「しみる」一日。水を一生懸命吸って春を待つ植物みたいなものか。ただし散財注意。
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