日々雑感
DiaryINDEX|back|next
御茶ノ水を歩く。
神田川と並行してオレンジ色の中央線が走っている。反対側からは黄色の総武線。電車の音やホームの発着ベルが通りまで響いてくる。川の音は聞こえない。
橋の上から見下ろすと、鈍い色をした水は止まっているように見える。けれど、この川もやっぱり流れているのだろう。そして、やがては海へと向かってゆくのだ。
どんな川にも必ず流れがある。目には見えなくとも流れている。流れなければ川は死ぬのだ。夜になれば電車は止まるけれども、川は絶えず流れ続ける。静まりかえった街の中で、川の音は聞こえてくるのだろうか。
坂を下って神保町まで歩く。四月からのゼミで使う本を探して古本屋をまわる。何軒目かでやっと見つけると、品切れ中ということで定価より高い値がついている。「本との出会いも一期一会」という言葉が頭をよぎるが、何しろ高い。さんざん迷ったあげく、今回はやめておく。
帰りの地下鉄に乗ったとたん、失敗したかなあとちょっと後悔。後悔しつつ、うとうとと眠くなる。電車の流れに揺られながら。
|