2004年07月22日(木)/萌えるバーブル(本題)/中央アジア歴史群像 |
さて、先日の真面目っぽい話はさておいて、15世紀にインド地方にムガール帝国を建国したバーブルという人についての文章にて少々気になる記述が。 バーブルには17歳の新婚ホヤホヤのころ「不思議なほど強く魅せられた」(原文ママ)「バーブリー」という少年がいたそうです。ちょっと。バーブルよ。気に入るのは別にかまわないのですが、いくら自分がバーブルだからといって、バーブリーという名前はいかがなものなのか。この話は、バーブル自らの手によって書かれた回想記『バーブル・ナーマ』に書いてあるそうなので、ありし日の名も無き若者を回想する際、バーブルがそのように名づけたような気がしないでもありませんが、万が一生まれつきそういう名前だったらどうしよう。さらにバーブルはこの少年に大変な入れ込みようで、「恋慕の情の激しさのゆえに、また若さと狂気に支配されて、私はターバンも付けず裸足で大路小路や大小の庭園をさ迷い歩いた」(原文ママ)そうですよ。恋慕!若さと狂気!裸足!!ああバーブルよ。うろついてどうするのだ。そしてどこのサークルの新刊ですか?(余計な質問)とにかくなんか熱い。こんな熱い漢がチンギス・ハーンの末裔かと思うとなんだかもう。どっちかというと嬉しい気分なので笑顔になりますが。
『バーブル・ナーマ』はなにしろご本人様が書かれたものなので、学問的には第一級史料として、また文学的才能もあった彼の文章として大変貴重なものなのですが、こんな裸足でうろつきまわるような人がどんな激情をつづったものなのかという意味でもとても気になります。原書を読むのは限りなく難しいと思いますが、幸いなことに、わが国には『バーブル・ナーマの研究』という非常に気合の入った本があります。バーブリーの謎も書かれているのでしょうか。気になります。 しかし、かの書物は値段のほうも相当気合が入っており、また私ごときの現在の学習量では、おそらくまったく歯が立たない高度な内容だと思われるので、さらなる研鑽を積みたいと思います。そうしていつか、『バーブル・ナーマの研究』を目にすることができる日が来るのでしょうか。そして、バーブリーの名前が生まれつきだったかどうかについてもわかったりするでしょうか。万が一ヘタレだったり萌えたりしたらどうすればいいのでしょうか。そりゃもう本当に奥が深い。深める部分を間違っているような気がしなくもありませんが。
関連文献: バーブル・ナーマの研究 (1)〜(4) / 間野 英二 (著) / 松香堂
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