過失軽薄日記
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管理人は現在杭州にいますが、どこにいようとうすらオタク気味です。 2008年頭に帰国予定。大陸に至った経緯は2006年3月22日あたりをご覧ください。

文中でリンクされている箇所は別窓で開きます。

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2004年05月05日(水)/城が傾くあばれアイ。

以下、何の脈絡もなく私信です。

初めて「うすらセレブ」についての話をうかがった時にも衝撃を受け、たいへんな脱力感と共に明るい諦念といったようなものが心にきざしたものでしたが、あらためて文字列にしてみてもやはり格別な表現ですなあ。
セレブリティというのは、そもそも「名士」とかいった意味合いの言葉のようですが、日本のメディアにおける「セレブ」は、「名士」や「上流」の内実はどうあれ、とりあえずの「上流っぽさ」に対する羨望の気持ちの含まれた言葉として、大方はセレブリティでない側によって用いられている気がします。人の価値観をどうこう言うつもりはありませんが、こういう言葉が臆面も無く使用されているのを見ると、どうにも気恥ずかしくなってきます。それだけならまだしも、あまつさえ「セレブ」などと乱暴に省略されており、言葉というものを軽んじる態度が滲み出てくるようです(言いすぎ)。どうせ略語化が不可避なら、いっそ「ブリティ」とか略する心意気を見せて欲しいものですね。(その場合、「ティ」部にアクセントをつけて発音すべし)
あのコピーは、いくら仕事の為とはいえ、そんなお軽〜い言葉を使用せねばならぬことに苦々しさを感じている作者が、そんな己を揶揄するかのように「うすら」という言葉を語頭に持ってくることにより、本来ポジティブな表現をせねばならないファッション誌のコピーでありながら、うすらネガティブな印象を与えることに見事に成功しています。もはや商品をお勧めしたいんだかしたくないんだか分からぬ投げやり感すら漂っており、見る者の心に訴えかけてくるようであります。コピー考える人も苦労しているんですね…。こんなコピーをつけられてしまったトレンチコートには気の毒なことでしたが、実にグッときますな。コピーライターの人に強引に共感したりして、書いているうちに自分でもよく分からなくなりましたが、とにかく本当に素晴らしい。

試みに、私もファッション誌のコピーめいたものをいくつか考えてみました。




汝を如何せん! 虞美人気取りの傾国メイク



決め手は眉顰めテクにあった。簡単うすら西施作戦



一騎当千アイテムと殺伐アクセ使いで
 夏の天下取りは完璧!





駄目だ。「うすら」を使ってみたところで、到底あれに匹敵する破壊力を持つには至りませんよ…。それどころか、だんだん檄文みたいになってきた。所詮は付け焼刃ということですか。というか、まずは中国史から離れてみるのが私の今後の課題か。とにかく悔しい。かのコピーを考えた人の迸るような才能が超妬ましいです。

一応参考:
虞美人
西施
完璧(頁内上から二項目参照)

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ヤケパチ |電信家頁

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