いただきます。...じゅん

 

 

雪の降る音 - 2002年01月25日(金)

バラの話をしたせいだったのだろうか。
久々に白さんとネットで会った。

いきつけのチャットに、彼が入ってきた。
些細なことで、私にメッセンジャーを送ってきた。
「いま、どこにいるの?」
「家だよ」
白さんの奥さんは今、帰省中だ。
それを言う事を彼は勘ぐり過ぎてはばかる。
私は、聞かなかったふりをしようとする。
ばかな話をしているだけのようで、張り詰めている。

見えない緊張が、見えないはずなのにお互いに感じる。
雪の降る音が聞こえるように。

明日、まーさんは帰らない。
私は家にいるのが怖くなる。
白さんと話をはじめそうで、白さんに電話をしそうで。

雪の降る音は確かにするのだ。
微かにだけど、確かに。

私は白さんの奥さんになりたいと思ったことはない。
彼が言ったことが全てをあらわしている。
「じゅんを囲っておけたら良いのに」
彼の籠の鳥になら私は喜んでなるのかもしれない。
でも、それは幸福なのだろうか。
彼を慰める歌をさえずり、彼の手のエサをついばむ。
飼うということも、飼われることと同様に、縛られる事。
お互いを縛りあい、傷を舐めあう。
その血の味はこの上なく甘いだろうけれど。

まーさんは、私を縛らない。自分自身が自由でいるために。
一緒に飛んでいられるように。
けれど、その健全な幸福が寂しくなるときがある。
その弱さを自覚しているから。
だから、私は白さんに脅えるのだ。

多分、明日は帰らない。
まーさんが家に戻るまで。
怒られたら、ごめんねと謝ろう。
呑みたかったんだと甘えよう。
まーさんのふわふわのお腹に頭をうずめて。





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