シネマ*マシンガン
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2003年12月15日(月) |
【ヴァージン・スーサイズ】「今」しかない美学 |
美貌の五人姉妹が次々と謎の自殺を遂げる。と、書いてしまえばひとことですんで しまうのですが、サスペンスとゆうよりは青春映画といいましょうか。 特別な事件がおこるでもなし、妖精めいた姉妹と、姉妹にほんのりあこがれを抱く 少年たちとのあわい交歓を、美しい映像でつづりながら話は進行していきます。し かしとにかく、「死」の匂いがプンプン漂っていて、もういつ誰が死ぬのか、とは らはらしてしまう。怖いとかそーゆーんではないのですが、アンニュイを薄衣のよ うにまとった少女たちはきれいなんだけどこの世のひとではないよう。
少女期のひとつの病のようなものとして、「今」しかない美学があり、明日とか十 年後とかの幸福を願ったり待ったりするぐらいなら、すべてを終わらせるという刹 那的な考えがあります。姉妹はそんな美学をまっとうしたのかもー、などという考 えが見終わってからぽわーんと浮かんできたり。 なにがどうでも、あーなるしかなかったんだろうなあと感じてしまうお話です。ソ フィア・コッポラの初監督作品。
何が入っているかわからなくても玉手箱を開けたいひとへのおすすめ度 ★★★★
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