シネマ*マシンガン
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2003年12月12日(金) |
【光の雨】そこに行きたかった |
連合赤軍事件の映画を撮る監督と、演じる若者たちと、映画の完成を待たず失踪 する映画監督を軸に、劇中劇の手法を用いつつあさま山荘事件前の連合赤軍に 「何が」あったのかを描く。劇中劇の構成が、話の生臭みをうまく中和してい る。
しかし大杉蓮が失踪する部分は時間が足りてないかも。そこはわかったようなわ からんような。連合赤軍を演じる青年たちが役柄についてわかるとかわからない とか、山本太郎のように分析してみたり、「自分がもしその中のひとりだったら どうするか」を考えながら芝居をするという、そのへんの演出はおもしろいと思 いました。山本太郎と裕木奈江はなかなかすごかったし、浅野忠信似の池内万作 くんの醒めた熱演も非常に印象深いです。
これまで映画化されることが難しかった事件を、丹念に、かつ説教めいた話でも なく、ヒューマニズムでべたっと汚したのでもなく、どちらかといえばややファ ンタジックといってもいいぐらいに仕上げたのはすばらしいのではないか。 死者たちが雪の上で列をなして歩くシーンなど、好みは別れるかもしれないが私 はぼーぜんと見てしまいました。
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