水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2004年09月17日(金) 三浦哲郎『川べり』

川べりの道を見下ろす家から、毎朝、外の景色を眺める主人公の前を過ぎていく
男は、留守中に妻子に無理心中され……。

自殺・心中という文字を見るだけでも、嫌悪感なのに、心中の理由を事細かに
説明する主人公の妻に・・・・・・・ため息が零れます。本当の理由なんて、、、
他人にわかるわけないですよ。それより、子供を道連れにした心中だなんて、、
やりきれません。道連れじゃなくて、先に子供の命を奪ってから、責任逃れの
自殺じゃないですか!!ラストで、もっともらしい正当性?みたいなフォローが
とってつけたようにあるのも、うーむ、どんどん袋小路に追い詰められていくようで
息苦しいです。フッー。

その一方で、
しっとりと描かれた情景、靴音に語らせるのは素晴らしい!
文章の向こうから届く音に耳を澄ます瞬間はたまりません。
靴音作家(今考えました・笑)ベスト3に入れたいです。他に伊集院静と・・・・・・
もうひとりは・・有栖川有栖。靴音じゃないけど、深夜、土を掘る音にドッキドキです。
靴音というより、聴覚刺激作家ベスト3かな。きわめて個人的感想ですけど。


水野はるか |MAIL
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