水野の図書室
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2004年06月03日(木) 下川香苗『聖セバスティアヌスの掌』

聖セバスティアヌスは、イタリア・ルネサンス期の宗教画にある青年の名前です。
ローマ帝国でキリスト教が迫害された頃、殉教した兵士だというのですが・・。

物語は、平凡な女教師が、聖セバスティアヌスに似た端正な顔立ちの若い男に
恋をしてしまったことで人生が狂い、復讐しようと新幹線に乗るところから始まります。

あの男(女)に出会わなかったら、こんなはずじゃなかったと思うのは、哀しいですね。
自分の人生ですから、他人のせいにしちゃダメダメ。と、頭ではわかっていても、
危険な男や魔性の女とあぶない恋を選んでしまう、それがヒトの弱さでしょうか。

女教師、寂しかったんですね。なんだか、じーーんときちゃいました。
綺麗な顔の男だからって、聖セバスティアヌスに似てるだなんて、非日常すぎ。
もっと、現実を見ましょうよ!先生!まじめな良い先生なんですから!
気持ちをつなぐために、そんなことしてたから(読んでね)、こうなったまでなのでは。
先生だって、先生だって、いけなかったんですー!

は!すっごく浸ってました。恋の背景がとても丁寧に描かれてるからですね。
こんな恋はしたくないと、誰もが思うでしょう。今は、ね。


水野はるか |MAIL
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