水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2004年05月18日(火) 谷村志穂『キャメルのコートを私に』

大人の女に憧れるのは、若い男の子だけじゃありません。
女の子だって、落ち着きがあって、いろんなこと知っていて、着こなしが
上手な、きれいなお姉さんと出会うのは、熱い衝撃なのです。

そんな大人の女が現れると、どうしたって、自分が子どもに思えてしまう。
恋の拙さや恋人の未熟さに急に気づいて、立ち止まってしまうんです。
女は背伸びしながら恋をして、大人になっていくような気がします。

『キャメルのコートを私に』── 冬の訪れと共に終わった、ある恋のお話。
舞台は札幌。札幌生まれの谷村志穂にとっては、お得意の冬物語。
さりげなく添えられた自然の描写が素敵です。
金沢生まれの唯川恵も、雪を効果的に使うのが巧いですよね。

恋は終わっても、何かが始まる。
力強くてすがすがしい明るいラストは、読んでいて気持ちが良いです。
ラストって、大事ですね。← 今さらながら。(笑)


水野はるか |MAIL
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