水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2004年04月15日(木) 鷺沢萠さん、ご冥福をお祈りいたします。

軽快なエッセイが好きでした。公式HPの日記が、これまた面白くて。。


2年前、'02年の読書初めは、鷺沢萠さんの楽しいエッセイ集『途方もない放課後』でした。
続いて在日韓国人三世を主人公にした『君はこの国を好きか』『ほんとうの夏』を
読んで、鷺沢さん自身、クォーターという関りの中で描いた在日韓国人の葛藤や苦悶は
鷺沢さんだからこそ、書けたのだと思いました。

鷺沢さんが『君はこの国を好きか』を書いてから7年。
サッカー・ワールドカップの日韓共催、韓国映画・ドラマのヒットで、韓国は随分近くなりました。
NHKハングル語講座のテキストが売切れになるほどのブームを、『君はこの国を好きか』の
アミやジョンヒは予想していたでしょうか。その後のアミに会いたいと思っても、もうアミには
永遠に会えなくなってしまいました。

どれほど言葉を尽くしても、死んだ人には届かない。
溢れる想いを抱えていても、死んでしまったら、誰にも伝えられないのです。

突発的な出来事だと言ってしまうのは、あまりに寂しくて、悲しくて、やりきれなくて。




鷺沢萠さん、心よりご冥福をお祈りいたします。


水野はるか |MAIL
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