水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
2004年02月20日(金) |
小池真理子『死体を運んだ男』 |
このところ、祥伝社文庫のミステリーに吸い寄せられております。 祥伝社文庫って、紙色と字体が目に優しいというか、読みやすいですね。 紙が白すぎるものは疲れます。まあ、何より、作品次第ですが。
今日から読み始めた「蒼迷宮」は、先月読んだ「紅迷宮」の姉妹編みたいなもので、 やはり女性作家10名によるミステリー短編集。他に「緋迷宮」というのもあって、 このままいくと、次は「緋迷宮」に飛び込むことになりそうです。 迷宮強化月間!・・んー、なんだか意欲が湧いてきますっ。
最初のミステリーは小池真理子『死体を運んだ男』。 劇団員の妻を温かく見守る夫の話なのですが、この人、自他共に認めるお人好しで、 自宅に劇団員が寝泊りしても文句ひとつ口には出さず……。ところが、劇団員達の 留まることを知らない態度に、家は合宿所みたいになっていき──。
ひ、ひどい妻なのですよぉー!演劇に熱心なのは良いことですが、どんなことでも 度を超すと大変なことになります。 オチがちゃんと用意してある小池真理子の短編の中でも、このオチは・・なんだか 腹がたって、もどかしくて、悲しくて、気が抜けるような、複雑です。
はじめの2ページで主人公を取り巻く状況がわかり、すっと入って、読み進むうちに ガラリと空気が変わり、ラストで唖然!おお!これぞ短編!といった感じで大満足。 「蒼迷宮」、絶好のすべりだしです〜♪
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