水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
2003年12月07日(日) |
吉本ばなな『ハチハニー』 |
ブエノスアイレスの五月広場で、軍事政権時に子供を殺された母親たちが 行進するのをながめている「私」は、その集団の中に自分の母に似ている人 を見つけ、風邪をひくといつも作ってくれた飲み物と優しい母を想います。
こういう飲み物って、お母さんの愛情そのものって感じですよね。 冬になると飲みたくなります。風邪ひいてなくても。
そして、夫の不倫を知り、別れを決意する主人公に、母親が電話で言ったのは、 「そんなことで」・・!そそそんなことですか、不倫ですよ! このひとことで、五月広場の行進は、ひょーいと飛んでいきました。
不倫くらいで離婚しない方がいいのでしょうか? 不倫ごときで?不倫程度で?不倫なんかで?← しつこいって。笑
離婚を後悔する寂しさは、宮本輝の『夜桜』(「せつない話第2集・山田詠美編、 光文社文庫、2002.10.26記)で学習?済み。ただ一度の夫の不倫で離婚した ことを一生悔やむ妻に、胸が雑巾絞り状態でした。
で、このハチハニー好きな主人公は、結局どうするんでしょうか? どうもすっきりしません。飲み干したつもりが、カップの底に、はちみつが 残っていたように。
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