水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2003年12月04日(木) 吉本ばなな『プラタナス』

夫60歳、妻35歳 ── 歳の離れた夫婦が訪ねたのはメンドーサ。
にぎやかなブエノスアイレスとは少し違う、山が近い静かな街。
ふたりで過ごす穏やかな時間の中で、ふと、死がふたりをわける時を
考えます。

んー、25歳差ですか・・妻が60歳になる時には、夫85歳・・。
まぁ、歳を考えたら、夫が先に旅発つ可能性が高いわけで・・。
でも、どうしようもないんです。歳の差は縮められないんですから。

旅行!(海外ならなおのこと)というと、グングン、テンション高くなるわたし
にとって、こんなふうに年上の人としっとり過ごすのも悪くないなぁ〜
なんて、いろいろ想像しちゃいました。


いつか、必ず別れの時はくるけれど、ある種の安らぎの中にふたり続いて
入っていくようなものなんですよね。

シェイクスピア(あん、いきなりの登場で…)の『テンペスト』に、こんな言葉が
ありました。

「We are such staff as dreams are made on,
              and our little life is rounded with a sleep」

 ── わたしたちは夢と同じ材料で作られていて、
            わたしたちの小さな生は眠りに囲まれている ──


プラタナスの葉が風に舞う異国の街に、ひっそりと寄り添うふたりの姿が
よく似合います。


水野はるか |MAIL
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