水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
2003年11月16日(日) |
有栖川有栖『異形の客』 |
泊まった宿に、こんなお客がいたら、帰りたくなるかもしれません。 顔全体に包帯を巻き、帽子を目深にかぶり、大きなマスクで口元を覆い、 黒い革手袋にトレンチコート── あやしーあやしすぎる! 有栖は次の作品に日本旅館を登場させたいと考え、取材を兼ねて泊まった 宝塚の温泉旅館で、“異形の客”が離れの間に泊まっていることを知ります。 翌日、離れの間で男の絞殺死体が発見され──。
んー、情景がなんとなくコナン風です。どんなに顔を隠す必要があっても、 ここまでやったら、まわりから注目されるばかりでしょ〜。 なぜ、顔を隠していたかは、、まぁ読んでいただきたいのですが、逃亡中の 犯人説の解説がていねいすぎるほどていねいで、ちょっとイライラ。
駅の通路に、指名手配されている人のポスターが、ずっーと貼られているのを 思い出しました。もしかして、すぐ近所で暮らしているのかもしれません。怖!
ラスト、火村と犯人の対決が印象的です。火村先生、カッコいい! このシャープさ、密室での偽装縊死(いし)の真相に柳井警部、有栖と挑んだ 『壺中庵(こちゅうあん)殺人事件』(「大密室」新潮文庫、2002.02.14記)での 活躍がよみがえります。ますます火村先生のファンになりました♪
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