水野の図書室
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2003年11月11日(火) 有栖川有栖『暗い宿』

せつない恋物語が続いたあとに無性に読みたくなるミステリは、
マロンケーキのあとのエスプレッソのようだ・・ちょっと違うかも。笑

「暗い宿」(角川文庫)は、いわくつきの宿で起こる事件に臨床犯罪学者の
火村英生と推理作家の有栖川有栖が挑む短編集です。
4編の最初が『暗い宿』!わーいきなり表題作。読書欲が高まります〜。

気ままなひとり旅にでた有栖川有栖は、初めて訪れた村で熱をだし、廃業
した旅館に泊めてもらったのですが、ふとんの中で耳を澄ましていると、
階下からスコップで土を掘るような音が──。1週間後、その旅館の床下から
白骨死体が発見されたことを新聞で知った有栖は、火村と共に再び、その地
へ向かいます。

登場人物が少ないので、犯人はすぐに見当がつき、やっぱりねという展開に。
!これはきっと、犯人探しより他のとこに注目してほしい!ということね。
(なんてプラス思考な読者なのだ!)

この作品、夜の闇より暗いような宿の描写にゾクゾク。
怖いと思いながら、土を掘る音が聞こえないかと、耳を澄ましていました。
すると、読んでいくうちに、ホントに聞こえるような気がするんです。
だ、誰?土掘ってるのは……。うちのまわりに土なんてないのに……。


水野はるか |MAIL
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