水野の図書室
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2003年10月10日(金) 多島斗志之『マリア観音』

川島誠の次は多島斗志之・・ん?島つながり?No, No, 単なる偶然です。
「追憶列車」(角川文庫)を選んだのは、文庫本のオビに掴ったから。
○○氏絶賛!タイプだと引いてしまうわたしにとって、こういうオビは
いい感じ♪「スリリング」と「エモーショナル」の文字に胸躍り、いつもなら
最初の1ページは読むのに、試着、じゃなく試読なしで買ってしまいました。

で、家に帰ってからゆっくり読み始めたところです。
5編の短編集の初めは『マリア観音』。ある主婦が自分に近づく謎の女の
姿を追っていくと──。と、いうお話。妻の帰宅が遅い=浮気、と考える
夫に、いきなりカックンときました。笑。あひゃ、わかりやすい夫です。

今どきの妻は、浮気よりもっと楽しいことで帰宅が遅くなるのですよ〜。
夫が考えるほど、妻は浮気なんてしてません、って。(面倒だもん♪)
ジムとかエステとかプールとかフラメンコとか、フランス語教室とか小説の
書き方講座とか選挙の出口調査員アルバイトの説明会とかで、遅くなるの
ですよ〜。(かなり特殊な妻かも)

読後感はエモーショナル。スリリングはちょっと物足りないかな。
でも、まずまずの好感触。作品を温めてるのは、優しい夫のようです。


水野はるか |MAIL
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