水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
2003年09月14日(日) |
川島誠『田舎生活(カントリー・ライフ)』 |
父親の転勤で田舎町に住むことになったぼくは、田舎に馴染めず疲れていく母を 見るうちに、この町を破壊することを考え──。
淡々と語る“ぼく”に、せつなさ急上昇。 “僕”じゃなく、“ぼく”としたのは、巧いですねー。わ、またまたエラそーなことを!(汗) 漢字って、不思議な表情を持っていて、時々、ハッとさせられます。 若く美しい母を守ろうとする少年は、“ぼく”じゃなくちゃいけません。 早熟なようで、逃げるために破壊を考えるこどもなんですから。 “オレ”、とか、“俺”、では全然別の小説になってしまいます。“僕”でもダメ×ダメ。 (ラブストーリーなら、ぜ、ぜ、ぜーったい、、“僕”希望!) いやはや、細かいことにうるさい読者です。しかーし、譲れないポイントなのですよ。
『サドゥン・デス』同様、ラストが良いです〜。今度はゾクッと決まりました。 ラストが楽しみって、読むのも楽しいですね。 会話文がひとつもないのに、母親の柔らかな声が想像できるのも面白いです。
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