水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
2001年11月21日(水) |
乙一著『夏と花火と私の死体』 |
はじめて読んだ乙一さんの本は、『夏と花火と私の死体』(集英社文庫)でした。 読んだのは、11月11日。よく覚えてます。 天気のいい日曜の午後だったから・・笑
あ、今日は『死にぞこないの青』のことを書くつもりだったのですが・・ 避けては通れぬデビュー作に先にふれておきましょう。
『夏と花火と私の死体』は、'96ジャンプ小説・ノンフィクション大賞受賞作品。 17歳で受賞したというから驚き!書いたのは16歳と知って、絶句(古っ)!
ストーリーは、友達の五月ちゃんを木から突き落として死なせてしまった (殺意アリ)弥生ちゃんが、兄の健くんと死体を隠す話ですが、 殺された五月ちゃんが、「わたし」の一人称で語っていくのです。
うーん、非凡だーー!!
死体は何度も大人たちに見つかりそうになるのですが、健くんの 頭の良さと運に助けられて・・ラストは・・せつないです。 大人たちの会話にちらほらでてくる「最近の誘拐事件」も、そんな!・・ そうだったのか・・と幕を下ろします。
ラストが巧いです。 作家には、書き出しが巧い人と、ラストがおおっ!!という人が いますが、乙一さんは後者のタイプのような気がします。 もちろん、のどかな夏の田園風景、夏休みの日常を淡々と綴るのもうまく、 無理なくすっと入っていけます。
『夏と花火と私の死体』文庫137ページ、40分で読みました。 ホラー嫌いにおすすめの乙一入門書。
次に読んだ『死にぞこないの青』については、次回に。 (書きぞこないじゃん!)
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