Wanderings / 千津
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 2004年01月07日(水) 私事に終わる文章 

好きになりかけた人が振られたかもしれないんだって。裏付けは無いけど、なんかそれっぽいことを匂わせるメールが本人から来た。そして何度かやりとりした。

私は22だけど、その人は同じ学年でもいくつか年上で、心に危うげなところを持つ分一生懸命に生きる人で、友人の1人として尊敬している。

そんな人でも、不幸にならざるを得ない状況が今の私達を取り巻き始めているのだなと思った。女の私でさえ暗く迷う中を、男の人は男であるだけで楽に選ぶことも出来るけれど、彼女がいるだけで(あるいは居なくとも)選べないこともある。

性差に関係なく、一概に論じられることでもないけれど、そういう事実もあるのだなと思った。

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話は変わるけれど、「命」を見た後に「私は諦めない」で柳美里の話を聞いた。映画は前半殆ど見ずに、後半も割りと斜め見だった。私は現代文学と言うか、今を生きる人の新しい作品はあまり読まない。時間を隔てずに氾濫する多さに付いていけず、その率直さが苦手なのかもしれない。だから彼女の本を読んだ事も無い。ただ、すごく言葉を大切にして生きて、慎重に選んで話す人なのだなと思った。
神社にお参りするシーンで由多加が丈陽をあやしながら泣いていた、その姿に半月前の自分が重なった。

雲ひとつなく晴れ渡った空の下でどこまでも続くか様な錯覚を思わせる新雪を踏みしめて、私は消えた命を思い、悔しくて悲しくて泣きながら、はじめて見る景色の中で興奮する新しい命に微笑を見せようと懸命になっていた。

憎らしいほどに続く晴天が、また雪空に変わった。明日、また新雪を踏ませてやりたい。


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