原案帳#20(since 1973-) by会津里花
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2002年02月02日(土) しんどい 「疾患」か「個性」か 他

……しんどい。

書き出しの時間=「4:46 02/02/02」(/w メモ帳機能)
「しんどい」理由。

あ、その前に、大急ぎで書きたいこと。*↓*
(なので「しんどい理由」そのものは→ここから……(-_-;)
あと、ついでに
★田中外相更迭?! と
★「疾患」か「個性」か(←「別ページ」になってしまいました……) も
ここから……


私は「女性からの侵入が怖い」と思っている、ということに、
ついさっきようやく気が付いた。
っていうか、薄々そう思ってはいたのだろうけれど、
根拠がわからなくて曖昧に捉えていたのだった。
「それじゃね〜」といって電話を切ろうとすると
「あ、それでね」と話を長引かせるのって、
「侵入」じゃないだろうか。
私自身もそうしてしまうことがあり、
「う、今のは相手にとってイヤだっただろうなー」と思ったりするけど、
そう思わされたことだって、何度もある。

つい今しがた気が付いた、というのは、
たまたまとある友人とお話していて、
そういうふうに話を長引かせられなかったからだ。
その友人とは、性自認や性指向について、
かなり似たところがあると思うので、
私としては「安全に対話できる相手」だと思っている。
その子とお話して、その終わりに
「じゃあね、このへんで」
とあっさり電話を切ることができて、……
でも、そのときなんだか、ちらっと
「それって当たり前のことなのに、なぜそんなふうに思うのかな?」
と感じたのだった。
そしたら、過去に私が、私のことを「男」と勘違いする女性から
割と「しつこく」迫られていた時のことを
ぽんっ
と思い出してしまったのだった。

そうか、そういうことか。

そうして。
私はなぜか、「母に抑圧されていた女性」と話が合うことがある。
私自身は「父に抑圧されていた」過去を持つので、
なんだかすれ違っているはずなのに、なぜだろう、と思っていた。

でも、私の場合、「母」ではなく「他人」なんだけど、
「女性から侵入される」という点では
同じなのではないか。

そう思ったら、なんだかいろんなことが符合してきて、
半分は「ほっ」とするし、
あとの半分は「ぞっ」ともするのだった。

電話をかけてきてくれた友人に、そのタイミングとか内容とか、
あとそもそもその友人が私の友人であるということに、
心から感謝したい、と思う。
ねっ、Mちゃん♪




で。
「しんどい理由」。
(っていうか、言い訳です)
この部分の書き出し時刻=「5:29 02/02/02」

予定を決めていなかった。……忘れていた。
 「ダブルブッキング」に近い状態なっていた。劇団の練習と、「安全な」お店と。
 お店のママには、もう3度目くらい…… なんてだらしない。
 (こういうことの積み重ねが「だから性転換者はダメ」というレッテル貼りにつながりかねない;
 念のため、決してそんなことはないと思う!!)
昨日「金八先生」のことからいろいろ書き込みしすぎた。
 (けっきょく朝まで起きていてしまった)
風邪をひいているらしい、やっぱり。頭いたいし、だるい。
(ここから長い……)『ジャンヌ・ダルク』を見た。
 ちらっとだったけど、充分過ぎるほどだった。
なぜこれが「しんどい理由」なんかになるのか。

宗教とFtMと暴力。
昨年『ボーイズ・ドント・クライ』を見た時のショックが、
そっくりそのまま
フラッシュバックしてしまったのだった。
夜の11時頃だった。
だから、急いで支度して出かければ、「お店」は間に合ったはずだった。
けれど、起き抜けにいきなりそんなものを見せられて、
私は自分が身動きができなくなっていくのを
まざまざと感じてしまった。

私は「性と暴力」ということに、
心底、体が竦んで動かなくなるほどの恐怖を
感じてしまう。

なんでそんなのつけてたの?……弟よ。
消しちゃえばよかったのに、なんでしばらく見つづけてしまったんだろう。
うう。

あと一つ、「しんどい理由」。
 今日、出かけます。
そうして、まさに、「性と暴力」のことを考えなくてはいけないのです。

「加害者でもあるし被害者でもある」とか言いながら、
けっきょく私は自分が加害者である、ということにばっかり気を取られている。
上のほうにインディゴで書いた記事も、
実はそういうことだったような気がする。

私は、ある女性から、たぶん5年くらいの間、……いや、6年だ、
ずっと「侵入」といえるような行為を受けつづけていた。

でも、私に対して、加害者の女性は決して私に対する侵入を「加害」だったなどとは認めないだろう。

念のため、これは私の元パのことを言っているのではない。
今、むしろ、私には、元パが私に対して強い罪悪感に慄き、
彼女自身が「自分の罪」の意識と戦いながら、
同時に育児と仕事と家事、三つをなんとかして鼎立させながら、
しかも自分の親との間の問題も、誰の助けもなしに……それは、わからないけど……
克服していこうとしているはずだ。
そんな彼女を、私はやっぱり、尊敬する。
いつか必ず、助けてあげられるようになりたい。
(消極的な方法であれ)……
(彼女の許を去る、というかたちで「最も消極的な助力」はしたけど……)


比べるのは、なんだか後ろめたいしどこか気持ち悪いような、居心地悪いような気がする。
(だいいち元パに悪い)
でも、私に対する加害者の女性も、その人なりの事情があったのは
いろいろ知っているので、あまり責める気にもなれない。

たぶん、けっきょくのところ、
知り合ってしまった、出会ってしまった、ということ、
そのこと自体が、不運だったのだろう。
それに、客観的に見たら、「加害/被害」という関係とは言えないのかもしれない。
単なる「共依存」……

でも、私の反応は、半年間全く電話に出られなくなった、とか、
人の命に関わること、ということに囚われて
その関係から離れることを許されないでいる、と感じていた、とか、
果ては、自分の家族を完全に犠牲にしてでも、
その女性と会ってどうでもいい会話をしながらお茶を飲む、ということだった、とか、
そういうことなのだ。

もう一つ、念のため付け加えておきたい。
その女性と私が知り合った頃、私はまだ「男のふり」がうまくいっていた。
だからこそ、その女性から「男」として扱われ、「男」を求められ、
私は耐えられない思いをしながらもそれに関わり続けたのだけれど、
一つだけ、幸運だったことがある。
その女性と、肉体関係を持たないですんだのだ。
それは私がトランスしていくのと同時並行みたいに起きていたので、
もしかしたら私は自分の「貞操」を守るためにトランスし始めたのかもしれない、とさえ思う。
そうでなければ、
私はその女性が、……自覚があるかないか知らないけれど……
っていうか、自覚があったらそんなことゼッタイしないと思うけど……
陰に陽に、私に誘いをかけてきたのを、
拒みきれなかったかもしれない。

そうして、その後、誰も気づかないように、
私はこっそり、逃げ出していただろう。
たぶん、「失踪」程度ですんだだろうし、
「新宿駅西口前」とかいう住所のことも知っていたから、
そういう立場を選んだかもしれない。
でも、もしかしたら、私が遺してきた家族のことを思い出すのに耐えられず、
この世から逃げ出していたのかもしれない。


はははは。
私のことを「典型的な男」と思ってくれても構わないよ。
でもね、自分が置かれた立場に誠実であろうとすることって、
「男女」に関係ないと思いませんか?

書いてて、なんだかひどく腹が立ってきた。
死にたいほど。
相手が全面的に悪い、とは思えないだけに、よけいに。

(どんな場合だってそう……
私は、ふつうなら自分の正当性を全面的に押し出して、
相手が悪い、だから謝れ、と言っていいはずのところ、
どうしても「自分も悪い」と思ってしまうし、
そのように言ってしまう。
「世の中キビシイ」と叫ぶ陰惨な人々のせいで、
「常識」というものは
(本当は完全に正しいかどうかわからなくても)
自分は正しい、相手が悪い
(という態度をとることが「自らの責任を果たす」という意味になる)
ということを要求する。
そんなことして争いごとを招き、
けっきょく「戦争」を縮尺しただけのようなことになるのは
いやだから、私にはなかなかできない。
「そんなことないよ。あんたは充分、鈍感だから」
と言ってくれる、心優しい人もいるだろうけど、
自分で気づくことのできない部分は、本当に気づかずにやってしまっていて、
気が付いたらそれを正当化することなんかできもせずに
ただただ罪に慄くタイプなんです。
像が蟻を踏んづけるようなことをしていることは多々あります。
字数は多いし、体はデカいし、無意味に頭がいいし。
けれど、それは本当に「気が付かない」からで、
気づくことのできない自分に対してはとても情けないと思うし、
どうにかしなくては、と努力しつづけているつもりなんです。
「ウソつけー」と思う人は、まずご自分の中のそういう面を割り引いてから、
私を見てください。
私だって、人が誰でもけっきょく自分のことしか見えないし考えられもしない、
ということに、ここ10年以上、傷ついたままでいるのですから!!)


こんなこと、いくら言っても、誰も許してくれない……

もう終わりにしたいのに、気持ちとしてけりがつかない……

そうか。わかった。
こういう感覚、「男のふり」していた頃によくあったっけ。
ホルモンバランスとか、状態が悪いからだ。

私の中でまだ腐臭を放っている「オトコ」が、
なにやら情けないことを申しています。
とてもみっともなくて見ていられないとは思いますけれど、
どうか許してやってください。
心根はやさしいのだけれど、
自分を守ったりかばったりすることが苦手で、
けっきょく自分からめんどうなことに巻き込まれていくことが多いのです。
そのせいですっかり傷ついてしまったし、
傷を癒すことも知らないし、
たぶんもう立ち直れないのだろうと思うけれど、

だいじょうぶ。
代わりに、ちゃんと隠し持っていた「女」の私が、
ちゃんと生きていきますから。


は、は、は、は、は!
書き込み終了時刻=「6:45 02/02/02」



★田中外相更迭?!

これもまた、
「は、は、は、は」とか
気持ちの悪い笑い方しなくてはならないような気が。

もう数日前に起きたことなのに、
今はできるだけ「ニュース」というものを見ない、聞かないようにしているので、
全く知らなかった(-_-;
まあ、知っていても知らなくても、私自身のことにはそんなに大きな影響はないのだろうけれど。

それにしても……
やっぱり「サル山体質」は変えられなかったのね。

私はどういうわけだか、田中さん、というか「マッキー」には同情的だ。
(あんた「自民党大嫌い」だったんじゃないのー?!>自分)
まあ、故・田中角栄氏の娘、ということもけっこう大きいかもしれないけれど、
(なぜか、田中氏……おとうちゃんのほう……は、うちの父の「良い面」の象徴のような気がする。なんでだろ?)
それ以上に、彼女の言動が好きだった。
それこそ、「抑圧的・支配的男性原理」っていうか「鎌倉時代以来不変のヤクザ体質」っていうか、
1000年もおんなじ体質で政治を続けようとするなよー……(by 時宗/うぞ)
そういうものにほとんど物怖じせず……たぶん「鈍感」だったからなんだろうけど……
そういう「男にしかわからないもの」をずばずば壊していこうとする姿勢。

政治ってね、男にやらせているから陰湿で残酷なのよ。
女の田中真紀子が言いたい放題言っても、それを「追い落とす」ようなマネをしないですむようになれば、
こういう一方的な評価……それのことを「偏見」と呼んでもらってもかまわないよ……も
しないですむようになるのに。
まあ、某赤ん坊みたいな男の子議員が議会でのさばってるようじゃね。
なんなの、あのオヤヂ?
「オトコってのはなあ、こんなふうに幼稚なものなんだよぉっ!! 悪いかぁっ!!」
みたいな。うぐぐ。
けっきょく「喧嘩両成敗」みたいなことになったけど、
私は田中氏(娘のほう)は許せても、あのオヤヂは許せない。
気持ち悪い。

まあ、それでも、「男は家の外に出たら7人の敵がいる」を地で行くような「伏魔殿」の窓を
勇敢にも開いてみせたのだから、
田中さん、お疲れさまでした。

(この後、某「K.O.出身の総理」の人気が、実は田中さんのおかげだったということが
すっかり露見して、今の内閣は滅んでしまうのだった……
めでたし、めでたし)
デマだけは止めなさい!!>自分
(「書いたら勝ち」とか言うか? ……でも、この件だけは書かずにいられない!!!!
たとえ「卑劣」と言われても!)
*あと「男は家の外に出たら……」というのなら、
家でお母さんに面倒見てもらってください。
ヒッキーしてればいいじゃん。
無理して外に出て「戦わなくては!!」なんて力むから、
殺伐としちゃうのよ。

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