頭の上がらねー年長者ちゅうのは、生きてく上でカネ払ってでも欲しい所だが。 カネ払って手に入るもんじゃ無ェから、人生は痛快だ。
30年超生きて来ると。 いっぱしの自信ちゅうか方針ちゅうか。 横文字で言うならプライドやらポリシーやらいうもんか。 そんなんが固まって来る。
そうすっと、どうだ。 相手の話が聞けねくなる。 特に年下。 てめえより「人生で勝ってねーやつ」。 そういう輩の話は、ますます聞けねくなる。
けど。
インターネットちゅうんは。 むしろ、そういう余分な情報が入って来ねー場だよナ。 だから、こいつはどうせ年下だろうとか。 こいつはどうせ俺ラより低層なんだろうとか。 そんなんは全て決め付けにしかなんねーから。
とりあえず相手の話は聞こうや、てことになるんじゃね?
ちゅうことは。 頭の上がらねー年長者が得られねかった人間に授けられた、宝物空間じゃん。 インターネット。
桜木の頼もしい兄ィは。 時折突然、電話かけて来ちゃ。 こっちの台詞が、ちっと道理に合わねーと思うとヨ。 途端に。
「お前、それは違うよ」
てよ。
現場の若い衆や取引先の営業捕まえたよなドラ声で。 電話の向こうで言うてくれる。
「何が違うんだよー」
てよ。反感持つのは簡単。けど持たねェよ。 人間、全部違うよな。 全部、違う人間。 てーことは、違うよってのは、あって当たり前の反応だろ。
違うよ、て。てめえ以外の誰かから突きつけられたら。 そいつを「うわー」て受け止め。 そっからようやく、てめえの成長やら反省やらが始まるんでねーの?
桜木もこれで気の短ェおたんこなす。 お人の話の半ばでトンズラやら。 そら、何度かやったもんだ。
けど。
他人様のありがてェ説教蹴散らして逃げ帰った分の埋め合わせは、ヨ。 てめえでやって来た。 次に会うたらグウの音言わすか、ちゅう勢いで。 そらもう、おたんこなすのメンツにかけて負けず嫌い。 刮目して見よの勢い。
「逃げ帰った分は取り返したか、しょうがねーな」て。 目ェかけてくれた相手に思ってもらうんは、桜木にとっての当たり前。
けど。 そこでテキをバカっちゅうことにして、ぼんやりセンベイ食てたらヨ。 国民年金じゃねーけど。 じきに遡っても払えねくなるよ。
その借り分は。
兄ィは声がでけェ。 その分、言うたことは戻ってこねーから、まっとうなことしか言わない。
生きてるだけでいろんなことを教えてくれる、その人は。 血こそ繋がってねーけど、桜木の兄ィだよ。
なあ。
「それは違うよ」
言うてくれる誰かサン、あんたにゃ居ますか。
てめえに耳障りなこと言わねー相手も。 究極弱まった時ゃ大事。
1日5時間PCに向かってっと、心身共に究極弱まっちまって。 耳障りにも目障りにも勝てねくなって。 堅ーい人間になっちまうんかな。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20021108-00000024-zdn-sci
どうすんだよ。このyahoo!のニュー速。 しゃーねェから桜木は、せいぜい。 「だから仕事になんねーんすわ。ワハハ」たらバカ言うて。 喝入れてもらうとする。
な。「それは違うよ」言われても。 いいじゃねーか。
あんたもさ。 苦虫噛みつぶした顔の爺さんに、モノ言う気にゃなんねーだろ。
「違うよ」て言葉が、どっかから来たら。
そいつはまだ、あんたのココロが柔かく見えてるって話。
まだ。 あんたの人生、上に向いてけるって証明。
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