私的正論。

2002年10月19日(土) 行きつ戻りつ。

赤ん坊は、あやされてナンボという顔をしており。
いたずら坊主は、「これボクんの」と言う時最高の顔をし。
中学生にもなると小僧どもは。
何かしらてめえの懐に辿り着いたもんを、ベッドの片隅でこっそり開いて。
やっとニヤリと笑う。

そしてガキの頃は、大人になるちゅうんは。
日々積み重ね、山を登るように決して下には戻らないこと。
全てを失うことなく、ただひたすら手に入れ。
てめえの持ち物と相棒を増やしてくだけのことだと、思ってたんだが。

なんのこたー無ェ。

人生なんちゅうもん。
んな気の利いた山みたいなもんじゃねくて。
ある種ほとんど真っ平らのつまらん道に、よほど近い。

必死で正しい道を歩いていると思いこみ。
なかなか報われねーんで、手近な人間に顔を隠してクソを投げ。
そういうことをやってるもんで、なかなかますます報われねーし。

けど。やってる本人は必死。

なんせ正しい道を歩いてると思いこんでんだもんナ。
そんなんばっかりだ。

実際、道に迷う時と。人生とやらの道に迷う時と。
人のたどる過ちちゅうんは、ほぼ一緒。

こっちか、こっちか。あっちかも。と。

ただ一点、おんなじ所で、間違える。
それも、あたかも、是非とも間違えたい! ナンゾと思ってるかのようにヨ。

グルッと振り返って同じトコに行く。
けど。

それが「狸に化かされたまま白骨になってく道」なのか。
あるいは「課題が残されてるから敢えて解決するまで出るべきでない袋小路」なのか。

その区別は、誰にも付けられない。


更にマジメなヤツほど「飽きたからもう辞める」ちうのが出来無ェもんで。
ますますハマる。

ありゃりゃ、そっちじゃねーんだけど。ナンゾと。

赤の他人の桜木が思うた所で大きなお世話。
ただ一つだけ有効なんは。

クソだけは投げ無ェ方がいい、ちゅうくらいのこと。
クソは。
持っただけで、てめえの手が臭くなっちまうからな。例え匿名でも。




スタンダールの言葉にこういうのがある。
好かれる相手が多くなるほど、通りいっぺんの好かれ方になる。

いつの世も大衆が好むのは。
わかりやすく、それでいて「どっかコバカに出来る」もん。


本気で心酔すりゃ宗教で。
笑いながら見てられる程度のもんが一番カネを稼ぎ。


「だけど本当に求めてるものは、そんなもんじゃない」

とか何とか言いがちな人間が成功するほどには、世の中ってのは複雑じゃない。




気難しい顔で、たまに笑い。
その照れ臭い感じが、なんでか、わかる。

そういう相棒。
そういう仕事。

本当に欲しいのは結局、ウソ吐かねーでもラクしてできる仕事と。
ウソ吐かねーでもラクで居られる相手。


なあ。十週連続第一位とか絶賛人気たらいうもん、そんなに羨ましいんかな。


桜木の基準はいつでも「そいつ幸せそう?」だ。

同時期に始めたサイトの管理人が10万HIT御礼とか言うて。
後輩がうなだれて今まさにまじい酒飲もうとしてたんで。

そういうの以前に、お前全然幸せそうじゃないし。言うたった。





行きつ戻りつ。本当に必要なものはなかなか手には入らねーが。
たまには手に入ることもある。

そしたらそいつを、ぎゅっと握りしめ。

たまにはニヤリと笑いたいだろ。



わかりやすーくコバカにされながら。
愛玩される動物になりてーんなら。

それでもいいが。

くだくだ言うて、まじい酒飲んでんだったら。
ちっと考え直した方がいい。


10年経っても忘れねー言葉。あんたにはある?
桜木には有るよ。

その人が良い匂いのする綺麗な手でしたためた言葉は。
多分。

墓場まで持ってける。




そんな言葉のひとつも吐いてくれよ。なあ。
きっと桜木はそいつを墓場まで持ってく。

けど後輩よ。忘れんな。



誰ぞに投げつけたクソのへばりついた手で書いた言葉は。
どう飾ってても臭ェってこと、忘れんな。



 < 過去正論  一覧  未来正論 >


桜木



My追加