私的正論。

2002年02月25日(月) 値打ちのない男に妹はやれない。

ちゅうか。

何だかんだ言ってテメエも日記作家を食いてェんだろう、とか。
言われそうな桜木。

そんなことはないです。

しかしマジメに照れるんで、ほんま頼ンます。
て、エエ年こいてドーテイみてェなこと言うてスンマセン。



サテ。

イロイロと複雑な事情がありやんして。
桜木には、ホントのトコ何人くらいキョウダイが居るのかわからないんだが。

でソノ、何人居るかわからねー、ちゅうても、まー。
いわゆる「腹違いのキョウダイ」、てヤツなんだけどヨ。


中でも、たまッたまの偶然で知り合った弟は、まだ専門学校の学生で。
その、末(多分)の弟が言うには、大昔に腹違いの妹ってのに会ったことがあるんだと。



腹違いの妹、か。



どんなだった、と聞いた桜木に、末の弟は。
まだちっこくて顔もわかんねかった、と言った。

たく、笑いますよ。オヤジ、頼むよォ、て。

そう言いつつも、末の弟は複雑な表情をしていた。
そらそうさ。

どこかで偶然ヨ。可愛い女の子と知り合って。
互いに母かたの名字を名乗ってる。ンなもん、キョウダイだなんて、わかりっこねェ。

血のつながりが親密さに。別次元の親密さにつながって。
恋に落ちて。


抜き差しならねェ関係になっちまってからヨ。

実はアンタたちキョウダイでした、て言われたらドウナル?




ちゅうか。そんなんは、もう桜木には関係ねェ話なんだけどもヨ。

そんなんより。



この広い空の下に、もしかしたら、桜木の妹が居て。

その妹がどんな風に成長したのか、てのも、わからねェままで。



もしかしたら、その妹がヨ。
とてつもねぇバカ野郎にだまされてたりヨ。

とてつもねぇバカ野郎に惚れちまってたりして…。



万が一不幸にでもなってたら、て思うと。
なんちゅうか。

果てしなく、酒がまずくなっちまうんだ。






出所のハッキリした愛らしい嬢ちゃんがた。

黙ってても幸せになれるだろう、嬢ちゃんがた。

あるいはいろんな悲しみ秘めた、たくましくもケナゲな嬢ちゃんがた。

奥さんがた。


 … 『エンピツ』の中の娘ッコ、て言うてもイロイロ。

たまに新着コーナーか何かで、ブラブラ日記読みに耽ってると。




この子がもし桜木の妹だったら、どうしような? て。

そんな風に思ってしまうことが、良くあるんだよ。





全ての女の子らが幸せになれたらいい。
そうすればきっと顔も知らない桜木の妹だって

幸せに、なってくれるはずなんだから。




オヤジの好き勝手に翻弄された、桜木のキョウダイたち。そして、その母親たち。
恨んじゃいねェさ。
オヤジにもイロイロあったろうさ。

けど。



顔も知らねェ、名前もわからねェ、まだ見ぬ妹を案じるこの気持ちは。
オヤジにはわからねーことだろう。

少なくともオヤジは。
男として為すべき義務を、確かに一つ、怠っていた。





末の弟に、その腹違いの妹が、まだ、ちっこかった、て言われて。
桜木は、ギュウ、て胸を絞られた。

どんなだった。
桜木の妹は。

幸せだったんか。

ヌイグルミのひとつも抱かせてもらってたか。




母さんは優しい人か。
お前を殴るような。

そして。
お前を辱めるような。

くだらねェヨソモンの男を引き込むような。
そんな母さんじゃなかったよナ。

そうじゃなかったと。



けど。

声は届かない。





時折空を見て。

全ての人らの幸せを祈るのは。




大切な人とそうでない人との線引きが。
桜木には。

不可能だからだ。



そういう人間も居る。
そういう運命もある、というコトが。

いくばくかの人に伝われば、それだけで、ちっと嬉しい。






一人でも多くの人間を。
まともな幸せに近づけてくためには、どうすりゃいい?

桜木は無力で。
せいぜいの、ネットの片隅の自習時間で。

むなしく吠えるだけだ。

それでも何かの助けになればとヨ。
吠えるだけで。それでも。



何もしてやれねかった妹が。
せめてくだらねェ男にだまされることがないようにヨ。
せめてテメエの力で幸せに近づいていけるように。

やれることをやってくしか。
ねェじゃねーか。ナ?





どの女の子もみんな。

桜木にゃ妹。





だからみんな幸せになれヨ。
くだらねェ男に、ひっつかまるんじゃねェヨ。


値打ちのない男に、大事な妹はやれねんだ。
オマエは値打ちのある男なんか。

幸せに出来る男なんか。



テメエの値打ちなんぞ棚に上げて桜木は言うてやるよ。

値打ちのない男に。




この空の下に居るどんな嬢ちゃんも。アバズレさえも。

桜木は。

渡したくねェんだ、てことを。


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桜木



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