私的正論。

2001年12月13日(木) 放課後の理想の教室。

さて、人間ってモン。

何事も、他人から押しつけられて身に付くコトってのは、ない。

桜木自身について、考えても。
達者に出来ることのほとんどは、テメエでやりたいと思って始めたことばかりだ。

そこで今日は。
子どもらにとっての「理想の勉強のありかた」みたいなコトについて、考える。



桜木が田舎のアホなガキだった頃にも、塾通いをしてる同級生は居たし。
浪人して予備校に通っているのも居たし。

それ以外にやたらイロイロと習い事してるのも居たし。

それほど状況は違ってなかったろう、て思うんだけど。


何しろ勉強が嫌いなヤツらはとことん嫌いで。
まー。桜木もその部類に入ってたわけだがヨ。

いつのまにやら取り残されちまうと。もう、取り戻せない。そんな感じ。
しかもちょうどポロポロと落ちこぼれが出始める中学校くらいになると。
もう先生らは職員室にこもっちまってて。

その存在感すら。今じゃ思い出せない。


世間の親たちは子どもを強引に塾に入れたり。
あるいは子どもが自分で行きたがってるから、と塾に通わせるが。

そもそもそういう家庭の子ォらなら、塾になんぞ行かねーでも、テメエで学べるだろ。
今の「教育」てモンを考える時、一番問題視しなきゃいけねーのは。

たぶん「何かを学ぶことを楽しめない子どもら」なんじゃねーのかな、て思うんだけど。
どうだろうナ。

それも中学生くらいになっちまったら、もう手遅れで。
鉄は熱いうちに打て、ってコトワザじゃねーけど。
やっぱ、小学生くらいの頃から、何らかの手を打っておくべきなんじゃねーかな。


小学生にとって。

先生ていうのは憧れで。万能のパワーの象徴みたいなもん。
教壇に立って教科書持って。
イロイロなことを知っていて。イロイロな知識を授けてくれる存在。

だから本当はどの子どもも。
たとえ口では勉強も先生も嫌いだ、なんて言ってるような子どもも。
ろくに学校に出てこねー子どもも。
いじめてる子どもも。
いじめられてる子どもも。

みんな。先生が大好きなんだよナ。先生ってのは初めて出会う、まともな大人なんだ。
みんな、本当は心の中じゃ、先生を独り占めできたらいいのに、て思ってるんだよナ。

だからもしも先生が。
他のみんなに内緒で、自分だけに何かをコッソリ教えてくれる、て言うんなら。
喜んで先生のコトバに耳を傾ける、てのが。

小学生くらいの子どもの。ごくフツーの心のありかたなんじゃないだろうか。



放課後。

退職した先生でもいいし。就職先が見つからない先生でもいいし。
教員免許を持ってるだけの主婦やフリーターでもいいし。
そんな先生たちが。

教室で自習をしながら、子どもらが来るのを待ってるような。
そんな教室があればいいのにナ、て。桜木は思う。

先生の座る机の上には教科書しかなくて。
何の変哲もないエンピツや消しゴムだけがあって。

なのにその。古い木の机の上が。輝いて見えるんだ。

自分の意志で。自分の力で。新しい知識や技術を習得していけることほど。
人の心を引きつけるモノって、ないんじゃないか。って。
桜木は、思ってるんだけど。

どう思う?




学校離れが進んでる、とか。
塾の授業の方が魅力的だ、なんて言うけどヨ。

この国の「学校」ていうのは。
本当に、

「今現在、可能な試みを、最大限何かも試し尽くしてる」

と言えるんだろうか?

よけいなクラブ活動や鼓笛隊なんかに予算を使って足りなくなって。
町内会によぶんな寄付を募ることばっか一人前。

ンなバカバカしいことばっか、やってっから。

よほど頭のイイ親には見放されて。
テメエの出来がワルイの棚に上げて、ガッコやら教師やらを盲進してるようなマヌケな親しか。
集まってこねーんじゃねーのかナ?



子どもらが。
いつ何時。突然のように自分の中の知識欲に目覚めても。
受け入れてくれる教室。

いつ何時。
その日の授業について感じたちょっとした思いつきについて話したい、と思っても。
受け入れてくれる教室。

あるいは近所のジイサンが木屑で何か作ってるのを。
ただ眺めてるだけでもいい教室。

あるいはピアノを弾ける主婦が音楽好きの子ォらを集めて。
ただ楽しくイロイロな曲を奏でてるだけの、音楽室。



ただ目をつぶれば。
そんな理想の教室が、イロイロに浮かんで来るヨ…。



アホのくせに勉強嫌いだった桜木は。
まあまあこの程度の人生しか歩いていくことはできねーが。

もしも桜木がちっさい頃に。そんな理想の教室があったなら。

もうちっとコマシな人生を歩けたんじゃねーのかな、て。思うこともある


頭のイイ大人に出来る仕事は無限大。
子どもら、てのは所詮。大人の気の利いたお膳立てに乗れてこそ、輝ける存在だからさ。

小さなコトからでもいい。
何か始めてくことは、できねーのかな?





もしも、こんな放課後の理想の教室が。

「アナタもぜひ先生になってください」

と頼んで来てくれたら。桜木なら。何を教えようか?

そしてアンタなら。
何を教える?



今夜あたり。あったかい風呂にでも浸かりながら。

アンタにも、そんな夢想を楽しんでもらえたら。
桜木も嬉しい。


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桜木



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