2001年12月12日(水) |
今。初めての妊娠をしたオンナのヒトに捧ぐ。 |
たまにはタメになる(と思う。たぶん。)話をしよう。
とはいえ所詮は。ド腐れ中年の戯言だ。 ウッセェ、と思ったら。 My登録は削除してくれて構わない。
桜木の知り合いに離婚したオンナが何人か居る。
そのうちのほとんどが人工妊娠中絶を経験していて。 しかも、それほど相手のオトコを憎んでも居ない。
ヒトの心ン中には「地獄の釜」みたいなモンがあって。 そんなモノは開けねー方がいい、てわかってるのが。 いわゆるヒトツの。まっとうな人間てもんだからナ。憎しみもその一つ。
そんなモンは開けないで済むんなら。 開けねーで居た方がラクってもん。
ま。桜木なんかはガンガン開けてまってナ。それで満身創痍ヨ。 心ン中は、そら、ヤケドだらけ。
て。そんなこたーどうでもいいわけだ。
今。初めての妊娠をしたオンナのヒトに。 この一文を捧ぐ。
思うに妊娠ていうモノは。 お腹の胎児にとってみりゃ。「就職試験」みたいなもん。
胎児はみんな。
「とりあえず来ましたが。雇ってくれますか?」
て感じに。
オンナたちの身体の中で。たゆたいながら、尋ねてる。
妊娠ていうのはそうゆうもの。 桜木に妊娠した経験があるとかナイとか。産んだ経験があるとかナイとか。 んなこたー関係なく。妊娠ていうのはそういうもの。
雇うかどうか決められるのはただ一人。 その身体を「運営してるシャチョー」であるところの。母体の意志。
どんなにシャチョーさんが雇いたくても。 「やっぱ辞めます」 って姿を消しちまう社員もあるし。
どんなに社員がやる気満々でも。 「アタシー、どうしてもタバコ一日5箱吸わないと生きていかれないー」 なんつうシャチョーさんの仕打ちに耐えかねて。 途中で辞めてく社員も居るやら、居ないやらだ。
また。 「このまま行くと、ウチの会社自体危ないかも」 みたいな状況で。 やる気満々の社員が面接に来る、てこともあるだろう。
そう。ソコが、シャチョーの判断のしどころだ。
その。 やる気満々で可能性無限大の社員と一緒に。 シャチョーも一発、ハラをくくって覚悟を決めて、テメエの人生を踏ん張るか。
それとも。 今は状況的に、どうしても無理だし、と。 二度と同じその社員は雇えない、もしかしたら一生社員が雇えねーかもしれねーってリスクを負っても。
バクチを打ってテメエまで死んじまったら元も子もねー、て判断して。 社員サンを断るか。
そう。二つに一つ、だよナ。
中絶っていうのは気持ちイイことじゃない。 しかし。 妊娠っていうのも重たいこと。
中絶経験のあるオンナたちの大抵は誰のことも憎んじゃいねー。 みんな。テメエのことを責めている。心ン中で。
けど。 キリスト教徒にはブチ殺されるかもわからんけど。
一つハッキリしてることがある。
それは。
「この世に生まれなければ苦しみを味わわないで済んだイノチ」
もあるってコト。
飽きた玩具。 壊れた玩具なら。
修理すれば。もらい手を探せば。 再び玩具としての使命をまっとうすることも出来るだろう。
けど。
子どもは玩具じゃない。もっと大きな存在になってくもんだ。
イグアナだのワニだのアライグマだの。 たかだか「射殺オッケー」のペットですら。
飼いきれなくて捨てられた後は。世間を騒がせる。その影響力は甚大。
そう。そこへ来て、子どもってやつは人間なんだ。当たり前と思う? けど。そんなことを「理解すらしてない連中」が。
世の中のこともなんも。 どう贔屓目に見ても4割かたしか理解してねーような。 ワッケわからんような状況で。
何も知らない純真無垢な社員サンを前にしてヨ。
「いいでしょう雇いましょう。ナニ、私が一生面倒見るつもりだからダイジョウブ」
なんて。
雇用契約書にサインしちまって、ホントにダイジョウブなのか?
知らないということは。それだけ取れば、何の罪でもない。
ただ。 「全部を知らないまま一部を知っただけで突っ走っちまったら」。
その行動が罪つくりになる場合も、あるってコト。
いわゆるまあ。セックスは知ってても妊娠出産育児の責任は知らなければ。 そうなっちまう可能性は高い。
そうしてオンナっていうのはケナゲだから。
歯ァ食いしばって。耐えていこうとする力は本当に強い。
今。そうやって耐えて生きてるオンナたち。世界中見てみればたくさん居るヨ。
もちろんテメエのセックスの不始末のせいでなく。 とんでもねー犯罪の犠牲になって、選択を迫られてるオンナも居るだろう。
だから一筋縄じゃ。語れねー問題。 一概にゃ。批判できねー問題。
しかし何にせよ。
ナニも知らずに入社した会社がさ。 「最初から倒産同然」 だった、なんて知れば。フツー、社員も物心つけば。シャチョーを恨むと思う。
けど。 もちろん。
社員もいつまでも新入社員のペーペーじゃねーからさ。
「まったくウチのシャチョーにも困ったもんだ。しゃーねー、仕事取ってくっか」
ナンテ。 強くたくましく育ってってくれる、場合もあるさ。
そこまで行かずに首吊るケースも、ナイわけじゃない。
けどまあ。 周りの支えがあれば、ダイジョウブなこともあるだろう。 一概にゃ言えんが。 ダイジョウブな「コト」もあるから。そんなに悲観せにゃならんこともない。
いろいろ見て。 思うのは。
結局のところ「生まれて来ればテメエの人生が待ってる」ていうこと。
まっとうに生まれた人間なら、 「産むだけ罪だ。無責任だ」「オマエに親になる資格はない」 なんて言葉のツブテをぶつけるんだろう。
けど。 親になる資格のない人間から生まれてきちまった、何割かの人間に言わせてもらやァ。
「他人のテメエにンなこと言われる筋合いはねーってんだタコ」 「こちとら立派に生きてオマンマ食ってんだダァホ」
てことに。なるんだわナ。
タメになってんだか、なってねーんだか。 所詮は言葉で。 明日の飯のタネにもならねーようなもん。
けど。
未成年の妹さんが妊娠して産む気で居るってことを。 心から憂えてるネーさんが居るのがわかっちまったら。
桜木には。
こんなことしか。 今は。 出来なくてヨ。
たかが日記書きが大きなお世話。アッタマ来た、て思ったら。 削除してくれ。
ただ桜木は。アンタたちのために祈る。
アンタたちの頭の上にいつも。 あったかい光が降り注ぐように。
祈る。
アー。ただこれを読んでてさ。
ワッケワカンネー、て笑いたいヤツは笑えばいい。 ウゼーんだよ消えろ、て思ってるヤツは。 テメエの方が消えろ。
言葉には何の力もねーて思うなら。 言葉なんぞ使うな。
言葉なんぞ読むな。
黙って後ろも振り返らずに。 テメエの仕事に取りかかりゃイイ。
言葉の力を過信してるわけでもない。 ただ桜木は。
フツーに生きてりゃ知ることもなかった誰かの人生に。 小さな。
視線を送りたいと思った。それだけ。
言葉の無力を知りながら。 言葉に頼るしかないこの場所で。
マッチ一本の炎にもならねーような。 小さな言葉を。
燃やしてみてるだけ。
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