私的正論。

2001年12月04日(火) 貧富に依らず美醜に関わらず、醜い人間はとことん醜い。

イヤなモノを見た。


見なきゃ良かった。



後悔先に立たずとは良く言ったもん。不快な感情は足のシビレのごとく。

しばらく消えることはないだろう。




今日の自習は「醜さ」について。

せめてこうでもしてねーと胸が腐りそう。

『エンピツ』も時には罪。宝物ばかり見つかるとは限らんネ。

例えは悪ィが、砂場で遊んでたら犬のウンチが出て来たみたいな気分だ。









桜木が一番嫌いな人間。

それは、醜い人間だ。



貧しい人間でも。ブサイクな人間でもない。

低学歴な人間でも。整形してる人間でもない。


ただ。醜い人間だ。




貧富に依らず。美醜に関わらず。  醜い人間ていうのはとことん醜い。



何が、その人間の醜さを作ってるかって。



それは。        客観視の「出来なさかげん」だろナ。

「客観視が出来ない人間」じゃない。

「客観視の出来なさかげんが、醜さを形作っている人間」。

ようするに一番タチの悪い人間てのは。

「客観視なんてハナから出来ねーくせに、客観的にすべての物事を見てるつもりになってる」人間なんだ。




客観視、て何だろ?

物事を客観的に見る、なんて良く言うけど、本当の所の意味はどんなだと思ってる?


桜木は。客観視、ていうのは。

「自分の価値観や常識にとらわれずに、すべての物事を見、判断するコト」

と思ってるけど。違うかナ。




そう。「自分の価値観や常識」にとらわれてたら、すでにそれは客観視じゃないし。
だからこそ「客観視ができる人間」ていうのは少ないんだナ。

今。この桜木の自習だって決して「客観的」と呼べる代物じゃない。
ま。別に桜木自身カケラも、「客観的である」なんて思っちゃいねーんだけど。




なかなかネ。出来ることじゃないと思うし。

だから別に出来なくてもいいと思うし。


もっともテメエでテメエのことを、

「客観的に物事を見据えて冷静に論ずることの出来る賢い人間」

なんて思いこんでなけりゃ、って話だがね。





貧乏人には貧乏人の生活。金持ちには金持ちの生活があるだろヨ。

そんなこた百も承知。   と思ってた。

特に「アタマのイイ連中」にとっては自明のことだろうと信じてた。




けど。

そもそも「アタマがイイ」って何なんだ?

こむつかしい理屈をダラダラと書き連ねることの出来る才能?
退屈な書籍も勉強のためなら面白いと感じて読み続けることのできる賢明さ?
あとまあ、テメエのトラウマを大学在籍中に心理学の力を借りて解き明かす、なんてのも。
「アタマのイイ」人たちにとっちゃ必要不可欠な体験みたいだが。



たくさん傷ついたりたくさんストレスを感じたりして。
不自由な青春を送ったという。

けど。

いろんな本を読んでいろんな先生に教わってたくさん論文を書いて。

到達したのはドコ?






テメエより劣ってるように見える人間への。   容赦ない「見下しの意識」。

じゃねーのかヨ?







「お高く止まってる人間は好かねー」ていうのはありふれた感覚。

「テメエの学歴や交友関係を鼻にかけてると嫌われる」ていうのは大衆社会での常識。

「TPOを無視して行動したら、どんなヒドイ目に遭っても悪いのはテメエ」てのは全世界の常識。





だと思ってたんだけど。ひょっとして違うの?

「アタマのイイひとたち」には、「お仲間」だけに通用する常識ってのがあんの?







桜木は。

ま。貧乏だしさ。エリートでもねーし。幸せな生まれ育ちでもねーし。

けど。

金持ちの常識も貧乏人の常識もわかるし。知らねー部分もイメージできる。

いろんな人間を見て来たから。金持ちも貧乏人も。
いろんな家の裏側も、見て来たから。金持ちの家も貧乏人の家も。


でま。そういう経験も。
桜木の育ちが悪かったからこそ、出来たことなのかもしれねーよ。

お育ちのイイ人の「ご苦労」なんぞ。「苦労した苦労した」て言ってもタカが知れてら。

使用人専用の入り口に追い払われるような経験を。わざわざ「させてくれる親」なんてのも、今時、いねーだろ。




だから今の金持ちにゃ。貧乏人の常識なんて、想像もつかねーことなんだろう。
そしてそんなことの「想像もつかねーテメエ」を、心のどこかで誇ってもいるんだろう。

信じられない。わからない。と相手を否定することが。
テメエの自尊心をくすぐるんだろな。  ジブンハコンナニンゲンジャナクテヨカッタ。

他人を否定する言葉が、孔雀の羽根みたいなもん。




ハ。ヤラしいな。虫酸が走る。

信じられない。わからない。同じことを。


テメエが内心じゃバカにしてる連中も同じように思ってるに違いねーし。

世界中探したって万人に通用する常識なんてねーし。



力一杯ツッコミを入れたい気持ちになったところで。

お高く止まったその醜さが、今更マトモに戻るとも思えない。










無添加食品を食ってる連中の目には。
スーパーの安野菜に飛びつく人間どもが、浅ましく愚かに映るだろう。

安野菜しか食卓に乗せられないのは。
金が無いから。

けど。「それはあの人たちが怠けていたせい」と、内心は思ってる。

「良い暮らしをしたいと思えば、そんなのはいくらでもかなうのに」
「そもそも良い暮らし、ていうのがどういうものか、どこにあるのかすら、あの人たちにはわからないんだわね」
「そしてそのために努力をしよう、という意識も無い。怠け者なんだわ」
「小さな子どもを育てているのに。子どもたちの未来にも関心がない」
「どうしてもっと努力しないのかしら。ちょっと調べたらわかることなのに」

   アア、ワタシ。アンナニンゲンジャナクテホントウニヨカッタ。






安野菜しか食卓に乗せられないのは。
金が無いから。

けど。もっと言うなら。その人たちには。

「知性を買う金すら無かった」んだよ。
「知性と出会う場すら与えられなかった」んだよ。


貧乏な家でも。   本棚があるだけマシ。本が入ってたなら入ってただけマシ。

それすら無い家もある。無かったとしても可笑しくはない。

貧乏ってのは。まさに底無し沼。









思うんだけど。

この国の金持ち連中が、今、すべきことってのは。

ただでさえ高いプライドを、金積んで更に更に上げていく、てことじゃないだろ?



お受験なんて最たるもん。

それ以上テメエら「だけが」付加価値上げてどうすんだ? と桜木は問いたいよ。







「誰の国」に住んでくつもりなんだろ。アホくさ。て思う。

どんなに付加価値を上げる努力をして金をかけたとこで。

住むのは、この国だろ。    エリートの皆さんを支える屋台骨も崩れ始めてる、この悲惨な国。


なのに、このうえエリートを作ろうとしてるバカ親たち。アホちゃうか。
いいかげん。我に返ったらどうなんだ?








アタマのイイ、お育ちのいい人間も捨てたもんじゃないと。

思えるのは、まあ。皇室報道を見てる時くらい。あとは、知り合いの何人か。



ガツガツしたとこがなくて、気持ちのいいヤツら。
けど。
まあ。
決定的に、ハングリー精神つうか。厳しさの視点に欠けるのはご愛敬。

貧乏人が抱える妬みとか憎しみとかって。






尋常じゃねー時も、あんのヨ。





ちょっと前に。東京の文京区で、事件があったろ。
山田みつ子って主婦が二歳の女の子を殺した事件。

あれもな。見てて思ったヨ。

金持ちってのは貧乏人に対する想像力が欠如してんだなーて。

そりゃむろん。貧乏人も金持ちへの想像力は欠如してっけど。




そもそも…。ありゃ、同じ土俵でケンカしたコトそのものが、間違ってたろ?

持てる者が持たざる者に分かち与える思想っての。

なんか。この国には根付いてねーのな。平気で貧乏人を罵倒すんのな。
どう考えたって山田みつ子を追いつめるべきじゃなかったし。
そもそも、あの人らは、おつきあいするべきじゃなかったよ。これは双方の責任。




カケラでも「ま、イヤだわ」て思った時点で。相手とは袂を分かてばイイと思う。

二度とつきあわなきゃイイ、てだけの話と思う。




だけどそれは出来ないから、なんてイイ人ぶった結果が、乳幼児殺害。

どっちみち相手の生まれ育ち環境常識、慮る能力もねーくせして。


いい人のフリだけは一人前。








お育ちの違う人間とはネ。

やっぱ、やっていけねーと思うよ。桜木は。

誰かの自尊心をくすぐるための孔雀の羽根になるなんて。マッピラ御免だしな。




一見ただオロカに見えることをしてるヤツらにも。

五分の魂があるし事情があるし。


みんな、はじめはただ与えられただけの環境から逃げ延びたり、生き延びたりして。
ここにいる。


アタマのイイ人間ってのは得てして鈍感で。
高慢ちき。

そこに金持ちってのが加わったらもう「進んでバカになりたい」て言ってるくらいのハンデを、自ら課してるようなもん。



だからこそアタマが良くて金持ちなのに良い人、てのは。それだけ素晴らしいってこと。







どうりで。






ま。ブランドの名前がバリバリ出て来る時点で気づかなかった桜木が阿呆。

知性も美貌もみんな「テメエを上等に見せるための小道具」だったってわけ。



しかしまあ、マスコミ、財界、上流社会にゃ、ああいう人種が多いと来てやがる。
この国の未来。マジで危ないよ。

そりゃ大金持ちの皆さんのこと。贅沢品の税金よりは、消費税の方が有り難いわナ。




貧乏人と金持ちの間の溝ってのは。

本当に、乗り越えられねーもんなのかな?



昔な。桜木に大学進学を勧めた先生が言ってたよ。

「大学へ行ったら、より高い所から世の中を見渡すことができるから」って。





大学出た人間の感覚って、みんなそんな感じ?

すげーヤラしい。

みんながみんな、そんなじゃねーと思うけど。   違うよな?




その先生の言葉にも、一理あるとは思うけど。

桜木は大学に行かなくて良かったと思ってる。



わかる、てことと。わかったつもりになる、てのは別のコト。





桜木は、いつも、わかっていたい。

だから床に這いつくばり地面に頬をつけても、泥だらけの10円玉を拾ってやるさ。





桜木は。ちっとも賢明なんかじゃないし。アタマも良くない。

ただ、わかろうとしていたいと思ってる。




そう。醜さを脱ぐことだって出来るはず。

その気にさえなりゃ。




マザー・テレサのように。

一つの物質の力も借りないで自ら光り輝く人間にだって。

なれるはずだよ。


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桜木



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