2001年11月27日(火) |
今日は「場を踏む」ことの大切さと「デモ休暇」について自習した。 |
岡野版安倍晴明も言っていたが。「場を踏む」「現地に赴く」というのは大事なコトだ。
陰陽師にとっての「大事」と一般市民にとっての「大事」はかなり違うとはいえ。
「場を踏む」というのは大事なコトだし。
あまり軽んじてはいけないコトだと桜木は思うんだナ。
だから外相が異国に行くのは重要なことなんだ。 物見遊山とか言われても何でもいいから行ってみることだ。
現地に赴き現地のニオイをかぎ現地の人々と話してみて初めてわかることがたくさんある。 それは。 「知識」「教養」「理屈」のレベルで「わかる」ということを何万光年も越えた次元での「理解」を連れて来る行為なんだ。
ずっと前。乞われて南の方に呼ばれたことがある。 わりとたくさんの人の前で、二時間くらいかナ。話をさせてもらった。
その時に思った。
アー。この人たちの前に来るには、何時間もかけて新幹線に乗って。
駅から歩いたり。ホテルからタクシーに乗ったりして来たんだ。と。
活字を原稿に書いて新聞紙に印刷して。 届けるのは販売店がやる。
取材して撮影してナレーション入れて。 それを映すのはテレビがする。
雑誌を売るのは本屋。
送り手と受け手の体温は重ならない。顔すら見えないことばかりだ。
桜木がマスコミに対して時に暗い気持ちになってしまうのは。
その「距離」をヤツらはどれくらい意識してんのかな、てことを考えるからだ。
ちょっとした人数の前で話しをするだけでも。 そこには「生」としか言いようのない反応があって心が引き締まる。緊張する。 桜木は原稿を用意していったのだけど、すぐになぞるのを止めた。
ファイルをたたんで並んでいる人たちの顔を見渡したら。 嬉しかった。
この場にわざわざ来てくれたことが嬉しかった。 何でもいい。 何かを渡したい。何かしら受け取って帰ってもらいたいと、痛切に思った。
そこにいる人たちと「場」を共有し、初めてわかったこと。
それは。送り手と受け手の顔が見えずそれぞれにすれ違っているということが。 この国をどんどん不幸せにしていってるのかもしれない、ということ。
所ジョージの「一億人の質問」だったかな。番組のスタッフが村を訪ねていくやつ。 ああいう風に「場を踏む」のが大切なんだよナ。
実際に村を訪ねたスタッフと東京で編集するだけのスタッフでは、絶対に、その「村」に対する気持ちの入り方が違うだろう。
村を訪ねたスタッフは、「おろそかには扱えない」に違いない。 その村を。 出会った、話をした、ごちそうをふるまってくれた村人たちを。
そうしてその思いを編集するスタッフも皆共有することができていれば。 映像は、より暖かなものとなるだろうが。
それを難しくしているシステムも、厳然としてあるのだろう。
この国のテレビは、マスコミは、間違った使われ方をされることの方が多い。
だからこそ「場を踏む」ことの大切さを、もっとたくさんの人が知ればいいと思う。 そうして、ブラウン管の向こう側にあるものの8割方は血の通わない「やっつけ仕事」かもしれない、という疑いの思いを。 視聴者側も、「ある程度」は持っていた方がいいのかもしれない。
まあ。ちっと残念なことだけどナ。
最近自衛隊派遣のニュースを見ていると。 小牧に所属するC130Hの機体が良く映る。 桜木は、あの無骨な迷彩の機体が好きで、つい手を止めて見てしまう。
近くで見たらきっとデカいだろう。 近くで見てみたいと思うし、できたら腹の中に乗せてもらいたい。
そうして。その腹の中のビックリするくらいチープな座席に座って異国に送られていく隊員たちの思いに。 少しでも近づきたい。
相手の体温や呼吸が感じられないくらい遠く離れた場所で何を論じても。 空虚な感じがする。
ルポライターは取材すればするほど対象のモノや人に感情移入してしまうと言うけれど。 当たり前だ。 それが人間ってもんだ。
それにしても日本ってところはデモの少ないところだよナ。
だからたまにデモのウワサを聞くと、ちょっと驚く。居たんだ。て感じ。
そうなると、逆に、デモをしてる人たちの所に行って聞いてみたい。 今日はどうしましたか。 お仕事は休んで来られたんですか。と。
なんでそんなとこに居られるのか? と逆に知りたくなる。 あの人たちは、どうして来たんだろう。 どこから来てどこへ帰っていくんだろう…。
だからもう。こうした不自然な状況を打破するためにも。
日本の企業は「デモ休暇」を認めるべきじゃないか?
もしかして、もうあるのかナ。「デモ休暇」。
自由自在に仕事を休んだり家事や育児をバックれたり出来る人たちだけにヨ。 大事なデモを任しといても、イイもんか?
桜木は、もっとカジュアルにデモりたい。 デモ用のヘルメットとかも玄関に常備しておきたい。 とっておきのタオルをヘルメットにはさみたい。思いの丈を手製の看板にぶつけたい。
オシャレなOLの人たちにも、生理休暇より気楽にデモ休暇を取ってもらいたい。 ニュースを見て「何ヲ?!」と腹が立ったらデモ。 もっと「ふつう」に、国の行く末について心配したり本気になったりしたい。
だいたいニュースを見ていても、デモをしてる人たちの素性が全然わからない。 出向するイージス鑑への抗議デモとか。
誰なんだよ、アンタ。と質問したくなるが彼らはブラウン管の向こう側なのだ。
黙って見てる桜木。 ストレスが溜まる。
なので。
企業には「デモ休暇」を認めてほしい。
あと育児中の主婦のためには「デモ託児」を認めてやってほしい。 国の補助で託児料金を格安にすればデモに参加する主婦は増えると思う。
ふつうっぽいOLとか主婦とかサラリーマンとかが、
「今日はデモ休暇を取って来ました。この裁判の判決には不満があります」
とかインタビューで答えるようになってほしい。
国の政治に関心を持てとか言う前に関心を表に現せるシステムを考えろ。
どあほうども。
たかだか「場を踏む」ってことすらおろそかにしっぱなしの連中にヨ。
何が変えられる。
まったくヨ。悔しかったら、変えてみやがれ、だ。
それとも何か。
そんなにガンガンとデモられたら困るってのか。
悔しかったら国会で認めさせてみろってんだ。
「デモ休暇」。
て。もう他にも提唱してる人が居たらゴメンな。
アンタと同じ意見。
アンタに賛成。
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