2001年11月19日(月) |
不倫の快楽が解き明かす。大流行のワケ。 |
昨日の桜木の自習につきあってくれた人。ありがとうナ。
今日は快楽について自習するって言った。
公約通り行く。
不倫が人の心を掴んで離さないのは。まァ。気持ちいいからだわナ。
なにしろ自分を選んでくれたってことが嬉しい(気持ちいい)。
本当なら愛し合っちゃイケナイ相手なのに愛してくれるから嬉しい(気持ちいい)。
障害があるのを承知で愛してくれるから嬉しい(気持ちいい)。
そんなにヒマじゃない(他にもっと大事にしなきゃならないモノ、人がある)のにも関わらず、自分のために時間を作ってくれるから嬉しい(気持ちいい)。
あー。 数え上げるのも飽きてくるほどの。気持ちいいのラッシュ。だろ?
また、これら精神的な「気持ち良さ」に加えて肉体的な「気持ち良さ」もあるわけだな?
亭主(ニョーボ)が関心を示さなくなったパーツにご執心してくれるから嬉しい(気持ちいい)。
とにかく「知らない指」「知らない唇」「知らないムニャムニャ」だから気持ちいい。
マンネリじゃないから気持ちいい。
時間に追われてるから集中できて気持ちいい。
行為することで「ないがしろに出来てる」同性が存在する、て事実が、メス(オス)としての優越感情をそそってくれて、気持ちいい。
とか。まあ。 こっちも数え上げたらキリねーんじゃねーの?
他にも、いろいろあるわナ。不倫ってゆうだけですでに反社会的、非常識の世界なんだから、ていう「タガのハズしやすさ」。 それも決め手かな。 亭主ニョーボ相手にゃ使ったこともないお道具とかヨ。 なんでか、不倫相手とだと、使っちまえたりすんだ。 で。
「モウ! 嫌らしいわネ!」
とか。 古ニョーボに言われると萎えるが、若い愛人に言われりゃかえって燃え上がる、みたいな? 理不尽な構図だよナ。
「なんて嫌らしい女なんだ」
とか。 アホ亭主に言われたらムカついてブン殴りたくなるのが。年下の愛人に言われたらトロけちまうんだもの。 まったく理不尽だよナ。
けど。どっちのニョーボも亭主も、ま、ある意味「サボり過ぎ」て来たんだろう。
サボり過ぎちゃ。いかんわナ。
すきまがあれば、ほこりがたまる。これ。世界の常識ってやつだ。
とまァ。 不倫には、こんだけ「気持ちいい」がいっぱいなんだから。
そりゃ。 ハマる人間がたくさん居てもしゃーないわ。
でもヨ。そんだけかな?
桜木的には。 こんな考察で終えてたら。自習になんねーのヨ。
だからもう一歩。深く考えてみることにした。
江戸時代から不倫ってのは流行してた、なんて言うけどヨ。 そんなもん、江戸時代に生きてたわけじゃねーからなァ。
200年くらい経ってからテレビ局の倉庫あさられて。
「このように20世紀の日本では金曜日の妻たちが恋を何年も休んだのち…」
なんて語られても困るんだよなァ。
でまぁ。江戸時代はともかく。
昭和の人妻と平成の人妻っていうのは。ずいぶん様変わりしてるんと違うかな。 昭和の亭主と平成の亭主もヨ。
だからこの、不倫大流行、てやつなんだ。
桜木は思ったネ。
ようするに今不倫に熱中してるヤツらってのはさ。
ワルサってことを、したことがねーんじゃねーのかな?
子どもの頃から親にキュウキュウ絞られて。 お利口ちゃんで、塾行って。 お習いごともキチッとこなしてヨ。
親の望む学校。親の望む進路。
「んまァ、○○チャン、そんなことしちゃダメよ♪ アリさんがかわいそうでしょ」
なんてママに言われて。アリんこ一匹踏みつぶしたこともなかったりヨ。
そんなお利口ちゃんたちが。 思春期にろくにオナ○ーもしないで大きくなっちまって。
身体ばっかり立派になっちまって。
恋愛も結婚も中途半端に周囲の「ウケ」ばっか気にしてキメちまって。
けど、ふと気が付いたら。 思いの外、何もかも自由にできるようになった自分が居てヨ。
オシャレして。 ネットやって。 携帯持って。
親からも家族からも監視されない時間が、意外にたくさんあることに気づいてヨ。
そりゃ、そうだナ。
してェよな。ワルサ。
ずっと我慢してきたんだもんナ。
そうそう。アンタの人生、まさにココから、みたいな感じなんだろ?
若い頃ワルサしないで大人になっちまうと。
一番手頃にできるワルサが、不倫なんだろナ。
気持ちよくて。
嬉しくて。
子どもの頃からキュウキュウ締め付けられて、どんな形をしてるのかもわからなくなってた「自分自身」が。
ラブホの鏡の中に映ってるのを見て。初めて。
ああ。これが自分だったんだ。って。気づくんじゃねーのかナ。
それを桜木は。バカらしいとか言えねーヨ。 時代の病って感じがするな。
気づいたところで。 どうしようもねーんだもの。
だけどこれで。けっこう理解できることが増えたような、そんな気がすんだけどナ。
桜木としてはさ。
不倫日記書いてるヤツらの言葉のはしばしから溢れる。 なんともいえない文学性とかサ。
なんともいえない自尊感情の薄さとかサ。
こう。 ちっちゃい頃からガチンコで遊んで来なかったんだろうなァ、て感じがすんだよナ。 多かれ少なかれ。 不倫してる人間ていうのは。 押さえつけて来たものが大きすぎるんだよナ。
あんなに真面目な人だったのに。 て言われてたヨ。
桜木の伯父。
愛人のウチで倒れてそのまま意識が戻らなくてサ。 だけど籍は抜かないままだった。 てか、抜いてもらえないまま死んだ。
自分がハッキリしてなくて。
他人にキッパリとモノを言えない人間。
誰にでもかれにでも良い顔をしたくなってしまう。
けど。だからこそ。
ヨメには「もう別れる」なんて言って。 愛人には「もう離婚する」なんて言っちまうんだろうな。
だからこそ。
亭主にはっきりと「もう愛してないんだから別れてよ。触んないでヨ」とも言えず。 愛人にはっきりと「アタシの何が目当てなんだか言ってよ。本気じゃないんだったらいい加減にしてよ」とも言えないんだろうな。
不倫が流行ってるって言われてもサ。
だから。
桜木は、ただ物悲しいんだ。
そこにあるのが本当の愛?
愛って。なんなんだヨ。
「生きてる」って感じ。
今まで経験したこともないような「燃え上がってる」って感じ。
けど。何もそれをヨ。「不倫で」感じなくたってイイはずだろ。
大人になって初めて自由になった気がして。ハメをハズしてみたり、ていうの。
ある意味。不倫してるヤツも。チョコエッグ箱買いしてるヤツも。 テイスト的にはおなじなんだよナ。
なんか苦笑いなんだ。
こうゆうこと、やってみたかったんだ。でも本気じゃないヨ、みたいな苦笑いなんだ。
けどさ。もう、叱ってくれるママはいないんだ。
そんなんで。 何も知らないイタイケな独身女や独身男を、だますなヨ。
ロクすぽ愛してもいねー相手を選んじまった結婚生活の尻拭いは。
テメエ一人でカタつけろヨ。
だから不倫なんてもん。 大人の恋でも。
なんでもねーよ。
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