samahani
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2003年02月07日(金) 「分かるけどね」って言われて・・

雪が降って学校や会社が休みになってしまった。せっかく調子に乗ってきて、わたしもやる気になっていたのに、今日の日本語レッスンは中止。

この日、4人で夕食を食べた後、二人と別れての帰り道でのこと。夫に「 Brian って、プリンストンの大学院を出てるらしいよ」と教えられた。環境問題や政治の話、ブッシュの政策についてなど話したらしいのだが(←ボケッとしていて聞いてなかった)、考え方がそっくりで話が合うのだそうだ。 

「ふーん、そうなんだ。じゃあ、どうして、英語学校の時間給アルバイトみたいな仕事してるんだろうね」と私。 Brian はクラスを持っているわけではないので、明日のレッスンの予定が入っているかどうか毎日学校に確認の電話をして仕事をもらっている。1レッスンのお給料だって決して高くはない。生活していけないから、別のアルバイトも探しているという。

「きっと、毎日スーツ着てネクタイを締めて、決まった時間に会社に行くような拘束された仕事をするのが嫌いなタイプの人なんじゃない?・・・・分かるけどね・・」と、夫が答えた。 えっ? 分かるけど・・って。 夫が、そうなりたいとか、その方がいいとか言っているのではないとは分かっていても、ちょっと意外で、夫が「分かるけど」と言ったその気持ちを、私はちっとも分かっていなかったんだと思った。

その Brian 、私と平日の昼間に Language Exchange したり、日本語のBBLに行ったり、なんだか暇そうだと思っていたら、とうとうクビになってしまったらしい。(本人は食べていけないから辞めたと言っていたけど) 「分かるけどね」どころではない。 本人が一番よく分かっているのだろうけど。 

Brian は、わりと最近結婚して、奥さんはL.A.にいる時に知り合ったタイ人で、もうすぐ出産で、けれど、医療保険に入っていないからアメリカでは子どもが産めなくて、奥さんはタイに里帰りしていて、ほんとは6月にはこっちに奥さんと子どもが来て一緒に暮らす予定だったけど、もしかしたら自分がタイに行くことになるかもしれないらしい。

自分は英語の先生なんて好きじゃないと言っていたのに、タイで英語の先生になるんだろうか。タイでも日本でも働いたことのある Brian は、タイの給料は日本の4分の1なのだと言う。タイで生活するだけならやっていけるけど、アメリカで大学院を出るときにもらった奨学金、5万3千ドル(約630万円)はとても返せない。

ほんとに、どうするんだろ Brian 。いままでは夫が言った「分かるけどね(拘束されたくない)」の部分を通してきたんだろうけど、きっといまは、「分からなかったよ、その気持ち(定職に就きたくないなんて)」の私の気持ちの方が、分かるんだろうなぁ・・。


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