samahani
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2003年02月06日(木) |
豊かさとは何だろう? |
これは夫から聞いた話。
夫の同僚で、中東の某国で働く ナジ(仮名)が、浜辺を歩いていると、 一人の漁師が昼寝をしていた。 ナジは漁師に訊いた。「どうして、もっと漁をしてもっとたくさんの魚を捕らないのか」と。 漁師は応えた。「そうしたら何かいいことがあるのか?」 「そうしたら、もっと儲かってもっと大きな船が買えるよ」 漁師は重ねて訊いた。「そうしたら、何かいいことがあるのか?」 ナジはこたえた。「そうしたら、もっと儲かって、もっと大きな家に住めるよ」 漁師は訊いた。「それで、何かいいことがあるのか?」 「そうしたら、使用人も雇えるようになって、君は昼寝して暮らせるよ」 漁師は言った。「ああ、それなら俺が たった今していることじゃないか、 どうして昼寝をするのに そんなに遠回りをしなきゃいけないんだい?」
最近読み始めたエンピツの日記に、豊かさとは何かと問う面白い逸話が紹介されていた。「カリブのある島(現在のハイチ)にタノイ族という部族がいたのが、コロンブスの時代に発見され、100年後にはタノイ族は滅んでしまった」という話だ。上の話とちょっと似ているが、それ以上に考えさせられる話だった。
きょう 私は Brian と一緒に、この前参加したBBLの別の講演会に行ってきた。このBBLはメンバーでなければ参加できないという訳ではないので、私や Brian が行っても構わないのだが、いつ、どういう演題で行なわれるかということが一般の人には知らされていない。私がいつものように、Language Exchange をするつもりで電話をしたら、なぜか Brian が この情報を知っていて「明日はこっちにしよう」と言ったのである。顔の広い人だ(女の友達ばっかりだけど・・私を含めて)。
今日のスピーチの内容は「ラテンアメリカの開発における日本の役割」というもの。タノイ族の話とリンクしていないでもない。日本語だから分からない訳ではないけれど、やっぱりよく分からなくて ぼぉーっと聞いていたのだが、質疑応答のときにとても面白い質問があった。
「中南米と言われる地域も、アフリカや東南アジアの他の国と同じく貧富の格差が大きい国々なのだが、アフリカ等と明らかに違うのは、アフリカの国々が全体的に貧しく、他国からの援助がなければやっていけない部分が大きいのに対して、中南米の裕福な層は本当に金持ちである。富める人の豊かさを見れば、我々(日本を含めた先進国)が、開発援助という名のもとに介入しなくても、その国の中の裕福層で解決できる問題なのではないかと思えるのだが、本当の援助の意味とはなんなのだろうか?」
この質問に対しての答えもあったが、はたしてそれが、解答として適切なのかよく分からなかった。と言うより、ちゃんとした答えはあるのだろうか?
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