samahani
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2002年11月10日(日) |
これは倫理観の欠如なのだろうか |
10月28日付の日記で、このウチの大家さんに宛てて、子どもの認知のために血液(DNA?)鑑定をした結果の書類が、間違ってここに配達されたという話を書いたのだが、その話には後日談がある。
翌日午前中に、マークのオフィスに電話をしたけれど留守だったので、電話を掛け直して欲しいということだけ留守電にメッセージを入れておいた。オフィスの他の人に聞かれては困るだろうと思ったからだ。 けれどその日、マークからの電話はなかった。
気になっていたので、夫が帰ってきてから、「マークから電話がないんだけどどうしよう?」と言うと、「えぇーっ、困ったなあ。いま、ここに電話が掛かってきても、ボクは出ないよ」と夫は言った。また問題から逃げようとしてるのねと、わたしが言った言葉に返ってきたのは、
「なに言ってるの?それはね、マークにとっては知られたくないことなんだよ。のぶお(夫)も知っていると思うのと、何の書類か分かっていないさとこしか知らないと思うのとでは(たとえ裏では知っているかもしれないと思ったとしても)マークの気持ちが全然違うでしょ。それに、さとこが自分で電話する(解決する)って言ったから、それでいいよって言ったんだよ」だった。
ああ、わたしはマークの気持ちなんて考えていなかったかもしれないと、ちょっと愕然とした。
アメリカでは日本よりも多種多様な家族のかたちが認められていること、何でも有りだとわたしが思っていること、養子でもステップでも隠したりしないということと、婚外の子どもができることとは、本質が根本的に違うのだ。(家族のかたち1〜3を書いたのは、この部分を書きたかったからである)
日頃(喧嘩した時など)、夫に「さとこは仕事してないから世間知らずだ」なんて言われると、むっきぃぃーーー!と頭にきていたわたしだが、その日は素直にその言葉を認めることができた。
結局、2日後にマークの携帯に電話して、荷物を預かっていることを告げ、開けてしまったことを謝ると、マークは一瞬、困ったなという口調だったが、すぐに「いいよ、大丈夫、取りに行くから玄関の外に置いておいて」と明るく言った。顔も合わせないで引き取ったことや、いつもは頼み事をしても(車で10分の所に住んでいながら)まったく来ようともしないのに、すぐに飛んできたところをみると、マークはそれが何であるか既に知っていたようだった。
こうして、3日後にはこの問題は解決したのだが、「外に子どもができたことなんて隠すほどのことじゃないのにと思ったわたしは、倫理観が欠如してしまっているのだろうか」と、ちょっとへこんだ出来事だった。
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