samahani
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2001年11月30日(金) 落ち込んだ時の慰め方

ボランティアで英語を教えてくれている先生がいる。先生の自宅に週に一回、4〜5人の生徒が集まってくる。
その日は、連休前でAさんと私のふたりしか生徒が来ていなかった。先生は12月の予定を立てたいらしく、「いつまでレッスンをしようか?」と私たちに聞いた。先生は、短期滞在のイギリス人で、旅行の予定はないらしい。「年末はギリギリまでレッスンできるし、1月もすぐにスタートできるよ」と先生は言った。なのに、Aさんは日本のことを持ち出して、「日本人にとってお正月は大事で、みんなが休みをたくさんとるからレッスンも休みにして欲しい」と言ったのだ。レッスンに来ているのは、日本人だけではないし、皆がAさんのように一時帰国の予定があって忙しいという訳でもない。わたしは、内心Aさんの身勝手さにあきれてしまったが、英語のレッスンの続きだったので、日本のお正月についてAさんの言わんとすることを先生に説明した。あくまでも一般論を言ったつもりだったし、Aさんが英語で上手く説明できない部分に助け舟を出しただけのつもりだった。そのうち、先生の顔が曇って、明らかに不機嫌になった。「いいわよ、休みにしましょう」先生はそう言うと、その日のレッスンを早めに切り上げてしまった。

あーぁ。先生はきっと誤解しただろうな、お正月について説明してたのは私の方が長かったし、はっきりと「私は休みにしないでレッスンをしたい」って言えなかったものなーと、ひとり 帰りの車の中で、落ち込んでいた。

後日、レッスンを休んでいたBさんにこの話をした。「ねえ、Aさんってひどいよねぇ。やっぱり(私のしたことは)まずかったよね。先生が怒るのも無理ないと思うわ・・・」

わたしは、「うんそうだね」という肯定のこたえを期待していたのだけれど、Bさんは延々と私の言ったことを否定し始めた。
「Aさんってひどいよね」→そんなことないんじゃない、そんなつもりはなかったんだよ。
「やっぱりまずかったよね」→大丈夫だよ。
「先生怒ってるよね」→考えすぎだよ、怒ってないって。
ええっーー なんでひとつも私の言うことに「うん」って言ってくれないワケ?
わたしは、がっくりと余計落ち込んでしまったのだった。

落ち込んだ時の慰め方には2種類ある。やっぱりマズイことしちゃったよねと言われた時に、「そんなことないよ」と否定する方法と「うん、そうかもね」と肯定するやり方。そんなことないよと否定して欲しいタイプの人がいるのも分かる。いや、もしかしたら、そういう人の方が多いのかもしれない。けれど私は、落ち込んでいる時に自分の言ったことを否定されると、余計に落ち込むのだ。たぶん否定されることに慣れていないせいだろう。自分が否定されるなら、私の納得のできる理由を挙げてほしい。そうでなければ、「うん、そうだね」と頷きながら、黙って話を聞いていてよと思う。

残念ながら、私の周りに、肯定の慰め方をしてくれる人はあまりいない。たまに、すごく上手に頷きながら聞いてくれる人がいると、落ち込んだ時のためにこの人がずっと傍にいてくれないかなぁなどと思うのである。


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