キ ミ に 傘 を 貸 そ う 。
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2012年12月02日(日) |
一年が、一瞬で、だからこそ、変わらない。 |
私が最低な女になってから、一年が経った。 私はまた一つ歳をとった。
誕生日の前日は金曜日で、仕事終わりに大好きなAさんとゴハンを食べに行った。 仕事で少し遅れた私が駆けつけると、 もうそこにはTiffanyのブルーの小さな紙袋があって、 「はい。」と渡された。銀色のピアス。
今までで一番素敵で、泣きそうに幸せな金曜日だった。
一年があっという間に経ってしまったけど 私は相も変わらずAさんのことが、馬鹿みたいに大好きで大好きで、 私はまだ、いまだに恋をしている。 愛になんて変わっていない。馬鹿だから、変わっていない。
ひどく、Aさんのことが好きだ。
一年間変わらなかったのは、 私から「会いたい」と言わないことだ。 私から誘うことは、しないと決めていた。 決めていたというよりは、できなかった。 私にそんな権利はないと、自分に言い聞かせていた。
ずっと空気人形だった。 もしそのことをAさんに伝えたら、Aさんは「心外だ」って怒るかもしれないけど。 そう思わないと生きていけなかったのだ。 Aさんが求めているのは私を道具としてだけだと、分かっていたし それでもいいくらいAさんのことがとにかく好きだった。
空気人形でもいい。 それでも一瞬でもいいから一緒に居たい。
そう思ったときから、もうダメだったんだ。
Aさん、私はまだあなたのことが好きでたまらないです。
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