ことば探し
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2010年03月29日(月) ■正解にたどり着くA君と、たどりつかないB君の違い

私の研究室の学生にA君とB君がいるとする。
どちらも同じくらい熱心に実験をやっているけれども、
A君はいつの間にか正解にたどり着くが、
B君はなかなか正解が出せない、ということがよくある。

2人のやっていることをよく見ると、
A君は実験に失敗した後、よく考えているのである。
考えて考えて、どうしてこうならないのだろうかと考えている。
私にも、彼が何を考えていたか、次の実験を見ればよくわかる。
一方、B君は実験で失敗しても何も考えていない。
だから失敗したのに、また同じ実験を繰り返している。
結局は、すべてはその差である。(略)

失敗しながら考えて、さらに失敗しながら考えて、
ゴールへの道を一歩一歩近づくことができるのである。
その意味で、失敗した後、いかに考えるかがすべてなのだ。



出典元 「「突然変異」を生み出せ!」
おすすめ度 4.5
著者名 中村 修二 (著), 城戸 淳二 (著)


この本によると、何も考えていない学生は、
「おかしな変更」をする、というのです。
どんなことかというと、実験では、うまくいかないときに、
温度を変えてみたり、試薬の濃度を少し変えたりするそうですが、
このとき、必ず「1つずつ変える」ことが原則なのだそうです。

ところが、考えない学生は、その原則を守らず、
「温度を変える、試薬の濃度も変える…」というように、
2つ以上、同時に変えてしまう、というのです。
こんなふうに、条件を同時にいくつも変えると、
たとえ成功しても、どの条件が失敗と成功を分けたのかが
わからなくなるので、やってはいけないことなのだとか。

また、そのような学生は、いつも同じ方向からしか、
実験をせず、失敗を繰り返していくそうです。
そんなことも考えずに、実験をしていては、
次につながる失敗にはならない、とうことです。
成功につながっていく実験、失敗ができるかどうかの、
その差は「自分の頭で考える」かどうか、だそうです。


「失敗から学ぶ」、などとよく聞くし、
何度も「ことば探し」でも書いているけれど…、
本当に失敗から学んでいるかと、自分に問うてみると、
B君のように、失敗の原因もよく探らず、考えず、
なんとなく、これではないかと勝手に決め込み対処して、
同じ失敗を繰り返していることも…多々あるように思う。

自分の失敗を見つめるのは、正直きつい。
しかし、次につながるいい失敗にしていくには、
自分の失敗を謙虚に見つめ直し、それを受け止め、
自分の頭で本気で考え抜いていかなければならないのだと思う。




■「ぼちぼち、お散歩日記」↓
「本からのお話紹介〜日本人ジョーク」

今週は、本からのお話。
まずは、日本人ネタから。

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