For My Life
ERIRIN



  さようなら洗濯機

明日、いよいよ新しい洗濯機が、
我が家にやってくる。

しかも、ただの洗濯機ではない。
洗濯乾燥機なのだっ!

そういえば、洗濯の下とか汚いかも。
「洗濯防水パンの中を、掃除しておこ〜っと♪」
いそいそと、壊れた洗濯機を動かして、
ふと思った。

しかし、長い付き合いだったよなぁ、
この洗濯機。

19歳で就職の為、東京へ上京した時、
就職祝いに叔父が買ってくれた洗濯機。

短大生になって、金沢で初めて一人暮らしをした時、
その時は、アパートに二層式の洗濯機が付いていた。

この洗濯機が届いた日の事は、
とてもよく覚えている。
3.3キロの全自動。
一人暮らしには十分すぎる位の大きさだ。
当時、4〜5万したんじゃなかろうか?
洗濯機も高かったなぁ。

ぴかぴかの自分専用の洗濯機。
嬉しくて嬉しくて、毎日毎日、
休みの日には、シーツやらなにやら、
何度も洗濯機を回したものだ。

うちのアパートのすぐ前を、
高速5号線が走っていたので、
室外に置いていた洗濯機は、
すぐにホコリがかかって、汚くなるので、
毎日、ぬれ布巾で拭いたりしていた。

その後、
結婚準備の為、一時実家へ戻った時は、
夫の、一人暮らしの名古屋のアパートへ。
結婚後、名古屋の新居へ。
夫の転勤で、またまた東京へ。
そして、ここ、札幌へ。
13年目の洗濯機だった。

ずっと、アタシに付いてきてくれた洗濯機。
ほぼ毎日働いて・・・。

そう考えると、なんだか寂しくなった。

実家の冷蔵庫が2代目になった時。
アタシは小学校低学年で、
ちあきなおみがナショナルのCMをやっていて、
氷を作った製氷皿を、逆さまにセットし、
隅っこの所を、軽く指で押すと、
がらがら〜と、氷が落ちる、
今考えると、なんとも原始的なシステムだが、
当時としては珍しく、
ドアに、氷を取り出す小さい窓まで付いていて、
新しい冷蔵庫に、心が躍ったのを覚えている。
でも、母はあまり嬉しそうでないのが、
不思議だった。

3代目になった時。
アタシは、すでに実家を出ていたので、
「大きな冷蔵庫いいなぁ〜」
くらいにしか思わなかったのだが、
母は、とても感傷にひたっていた。

その時は、母の気持ちが分からなかったのだが、
今は、すごくわかる。
ようやくわかった。

なんて、寂しいんだろう。

アタシは、洗濯防水パンの掃除を後回しにし、
壊れた洗濯機を、ピカピカに掃除した。

ありがとうの気持ちを、いっぱいこめて。


他にずっと使ってる電化製品はないかな?と、
家中見回したら、
初めて一人暮らしをした時に、
買ってもらったアイロンと、
アタシが小学校高学年の頃、
母が買ったミシンが、現役で活躍中だ。

大事に大事に使おうと思いました。






お疲れさまでした。

2002年05月28日(火)
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