
レンアイチュウドク
チェリィ
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| 2001年12月05日(水) ■ |
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| 月だけが知っている |
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遊びの後の寂しさはいつの頃も一緒で 子供の頃 遠足の前日まで楽しくて楽しくて その楽しみが大きければ大きいほど 終わった後の切なさも大きくて。 帰り道では泣き出しそうになったり。
大人になった今でもそう。 相変わらず夢の後は切なさが残る。 その気持ちを昔はどうやって消していたのだろ? 今となっては忘れてしまった。 只、一人寂しさをかみしめる。
彼の街を後にし電車に乗り込んだアタシは 今にも溢れ出そうな涙を隠す為寝たふりをしていた。 隣に座っている友達には悪いと思ったけど 楽しかったねぇなんて話しする気力さえなかった。 窓の外の暗闇がより一層切なさを呼ぶ。 ガラスに映る自分の顔は表情を無くしている。
あの時こうしていればよかった。 なんていろんな後悔の思いや楽しかった事や 頭の中ぐるぐる廻る。 ほんの数時間前に別れたばかりなのに もぅ何年も前の出来事のようだ。
自分の街の駅につくまでは気持ちを整理しよう。 またいつもの顔に戻らなくては。
見慣れた景色が見えてきた。 アタシの住む街。 現実に引き戻される。 足を一歩下ろしたら顔の表情が変わるのに気づく。 いつものあたしだ。 大丈夫。
笑っていられる。 少なくとも人前では。
ふと空を見上げると昨日とは違う月が昇ってた。 一瞬眉が動く。
気づかれないようにそっと見る月。 今 彼はこの月に気づいているのだろうか。 「何でも知ってるんだよ」 とでも言いたげな感じで月はアタシの顔を照らす。
早く一人になりたかった。 声が聞きたかった。
大丈夫だよ。って。 安心したかったよ。
それでも別の顔で笑ってるんだ。
そんなアタシの心中は月だけが知っている。
寂しいよ。
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