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レンアイチュウドク
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2001年11月17日(土)
月夜

ただ愛おしく思ってた日々。
先の事など聞きたくなかった。
考えたくなかった。

ただ今の現実が満足のいくものであればよかった

そう 自分に言い聞かせていた。

刹那的思考。

クールな女はそうでなくてはいけない。


ある時 なんともいえない感情を覚える。
いや わかってたけど目を背けてた部分が
出てきてしまう。

暗闇に落ちたような
ひとりぼっちの感覚。


もちろんひた隠し。


いつもの電話がおわった後 孤独感と戦う。


これから彼は家族の元へ何もなかったように帰るんだろう。
家に帰るとかわいい子供と奥さんが出迎えて
あったかい食卓で1日の出来事話するんだろう。
きっと彼はいやがる事もなくいつものように
やさしい笑顔で答えてる。


こんな想像。

やきもち。
独占欲。

醜い部分が顔を出す。

あたしは一人さみしさと戦う。
誰もいない夜は泣けるだけなく。
我慢するとひきずるから。
一番底まで落ちてまたはい上がる。
その繰り返し。

彼との距離のバランスを保つため。

次の日また平常心で彼と会話するため。



「月の綺麗な夜は空をみようか」


二人の距離を埋める月。

月はどこから見ても一緒だね。

少しは夜の孤独から抜けられそうだよ。



ある日電話の途中

「ねぇ、今、そっちから月みえる?」

「みえるよ。綺麗だね」

一緒に見てるんだ。
同じ月。
同じ時間に。

それだけの事。

それだけの事なのに涙がとまらなくなった。

彼の前では泣かないと決めたのに
気が緩んでしまったのか・・・・。


ちょっと失敗。


ちょうどいいというか、彼の携帯の電池がそこできれてしまった。

よかった。
なんとかばれないですんだと思った。

なのに・・・彼は公衆電話を必死に探しまたかけてきたくれた。

「大丈夫?」

「・・・ごめん 大丈夫だよ」

・・・・・・・・・・。


ばれてた。



このあたりから彼は
少しずつ変わっていった。


少しずつやさしくあたしをつつみ込むように。


暗闇を怖がらないように。


そしてあたしは安心して眠る。



















エンピツ