愛より淡く
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また彼女の夢を見てしまいました。
彼女の夢は、大学2回生の春に絶交した時から、これでもかこれでもかというくらい見続けています。
夢の場面や設定は、見るたびに違ってはいますが、夢のメインとなる筋はほぼ似通っていて、お互いにわだかまりを解いて仲直りするといったようなものです。
ここ2、3年ほどは見なくなったので、、ほとんど彼女の存在を忘れかけていました。
それは私の心にとって非常に平穏な状態でした。
「忘れるなんて許せない。そんなことはさせてやるものか」 といわんばかりに、彼女は夢に現れ、圧倒的な存在感でもって私に迫ってきます。
正直、夢を見て彼女のことを思い出すのは、つらくてやるせないことでした。
彼女の夢を見たって、現実の私にはなす術がありません。 これまでに彼女にあてて何度も謝罪の手紙を書き送りました。 当然返事は一通もありません。 思い切って電話をかけたこともありました。 それは私にはものすごく勇気の要ることでした。 でもそのときは、彼女のお母さんが出て、とりついでもらえず、即電話を切られてしまいました。
私はそのときのことをはっきりと覚えています。
「あのNさんはお元気ですか?」
その言葉を遮るようにガチャンと電話を切られてしまったのです。
季節はめぐり、出した手紙は宛先不明で戻ってきてしまうようになりました。
今朝見た夢は、あまりにリアルで鮮明すぎるほど鮮明な夢でした。
彼女が出てくる夢は、これまでに非常に数多く見続けてきているものですから、いつのまにか夢に彼女が現れた時点で、夢の中の私はすでにそれが夢であると認識してしまうようになっていました。
でも、今朝の夢は、目覚ましが鳴るまで、それが夢であったことには、気づきませんでした。
いえ、正確には、目が覚めてしばらくしても、それが夢であったということが信じられませんでした。
「あれから何度も何度もNちゃんの夢を見続けている。もう堪忍してと頼み込みたくなるくらい見続けてる。どうかお願いやからもう私を許して。 あれから私は、一人も友だちができんかった。ずっとひとりやった。当然の報いやと思ってる。」
というようなことを夢の中の彼女に伝えていました。
伝えながら、ああ、これで私はやっと解放される。 ようやく仲直りできる。 もう夢も見なくてすむ
と、なんともいえない安らかな感情に包まれていたのです。
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