愛より淡く
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ものすごく久しぶりに中学・高校・予備校時代と好きだったIくんが夢に出てきた。 夢の中の私は、どこかのバスツアーに参加していて、偶然、彼も同じバスツアーに参加していたのだった。バスに乗る時、Iくんに手招きされて、二人でどっかの教室みたいなところに入っていった。 教室には、人がたくさんいて、入っていった時に、一斉に私たちに視線が集中した。 なんというか、誰もいないと思って入ろうとしたのに、いざ入ってみると大勢の人がいてめんくらってしまったという感じだった。 黒板の近くでIくんに小声で、「実は、1週間前に婚約してん」と告げられた。 そのときに婚約者の名前も教えてもらったけど、忘れてしまった。 夢の中の私は、さして驚くこともなかった。
「でも、Iくん、たしか結婚してたんちがうん?」 と、訊ねると、 「5年前に離婚してん」 という返事。 「ふうん、で、今でもあの会社にいるの?」 「うん、養育費もしっかり払っている」 「そう。たいへんやねえ」 というようなやりとりをした。 やけにリアルな夢だった。 夢の中のIくんは、昔のままだった。 すごくなつかしかった。
「将来、僕が有名人になって、なんとか談義みたいな番組に出演することになったら絶対呼ぶから待っててね」 って中学の卒業のときに言われたけど、いまだにお声はかからない。 まあ、気長に待つことにしよう。
そうそう社会人になってから一度だけ再会したんだ。 ちょうど私が営業で、テリトリーをうろうろしていたら、偶然ばったり会ったのだった。 私は歩きで、むこうは車で、すぐに車が止められなくて、わざわざどっかに車止めて走って来てくれたのだった。 会社がひけてから、駅の近くの喫茶店で落ち合って、1時間くらい話をした。 むこうも営業で、私も営業だったので、クレーム処理の話で盛り上がった。 終わりごろになって、「実は、僕、結婚してん」と打ち明けてくれた。 そのあと、言いにくそうに、「ごめんな」って言ったんだ。 最初「ごめんな 」の意味がよくわからなかった。 もしかしたら、自分だけ先に結婚してしまってごめんなって言う意味だったのかな? それとももっと深い意味だったのかな?
Iくんと再会したとき、私はあいかわらずひとりもので、好きな人もいなくて、かといってバリバリ仕事しているわけでもなく、ものすごくテキトーに仕事していたように思う。
それにしてもあのころ毎日何を考えて暮らしていたのか、すでに全く思い出せない。
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