愛より淡く
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☆
「アルジャーノンに花束」を観た。
脳の手術を受けて、飛躍的に知能が発達して 一時は天才になった主人公の知能が、再び低下して、元に戻ってしまった。
彼は、自分が天才だった時のことも、よくわからなくなってしまったようだ。
先生役の菅野美穂さんが、今までのことを回想しながらこらえきれずに 涙する場面で、思わずもらい泣きしてしまった。
なんとも切ない恋の物語だ。うぅぅぅぅぅぅぅぅ。
「人間は、何も知らないほうが本当は、しあわせなのでは、ないだろうか?」
これは中学の卒業文集にある男の子が書いていた一文だ。私は、その子のことが大好きだったから、何度も何度もその子の文章を読んで、覚えてしまった。
卒業の日、私は、その子に手紙を出して、高校受験の前日にその子から便箋10枚にわたる長い返事をもらった。
彼は、信じられないくらいの達筆だった。生まれつき字が上手で、その手紙は、大人みたいに整っていて流れるような美しい文字で綴られていた。
すごくよい手紙だった。
久しぶりに読み返して、また、元気を出そうかしら。
このごろさっぱりよいことないし。
☆
その昔、私は漫画雑誌「りぼん」の愛読者だった。
中でも、池野恋先生の「ときめきトゥナイト」の大ファンだった。
吸血鬼を父に、狼女を母に持つ、魔界から来たヒロイン「江藤蘭世」は、噛み付くと噛み付いた相手に変身できるという特殊能力を持つ。(でもくしゃみをすると元に戻る。)
アニメ化されて、しばらくテレビ放映されたこともあるので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。私は、毎回テレビの前にちょこんと座って楽しみに観ていました。
ヒロイン「ランゼ」は、ドジでまぬけで失敗ばかりしているけれど、ひたむきに「真壁俊くん」を愛する姿が、いじらしくて、ついつい感情移入して読んでしまっていた。
ランゼの恋がたきでもある、やくざの組長の娘「曜子」もいい味出していて好きだった。よく魔法で犬に変えられてしまったり、ずいぶんと悲惨な目に遭う役まわりだったのだけど。彼女も、いじらしいくらいに、「真壁俊くん」のことを想っていて、でもその思いは、ぜんぜん通じなくて、読んでいて切なくなる時もあった。
プロボクサーを目指す「真壁俊くん」は、ちょっと不良っぽくってぶっきらぼうで、でもいざとなったら女の子を守る、という典型的な英雄二枚目キャラだった。
そういえば、あの頃の私は、「江藤」という苗字の 人と結婚して、女の子ができたら、「蘭世」にしたい、と本気で 考えていた。
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