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―― 連ねた意味も、持てない小鳥。
氷室火 生来
回帰

2007年04月09日(月)
赤い春の思い出。


戦いの前にさよならなんて、そんな悲しくなるような事、云うなよ。

大体こんな事を、かのサードチルドレンの子供は、一人目にして二人目の子供に伝えました。
さよなら、から思い起こされるのは別れ、終わり、もう会えない、又ではない、そんなとこ。またね、と告げると希望があるように語られるね。
戦いの前にそれを言われると、このまま生き別れるのではないか、永訣を示唆する不吉なもの。
彼は、寂しかったんだろうか。
人形のように無表情で、自分よりも父に近く、いまいち何を考えているのか判らない他人、それでいて、懐かしい匂いを持った、彼女が消えてしまう事。
処世術として人と関わらない事を選択しながら、否応無しに沢山の人間の想いが交錯する、つまり普通の世界へ引き摺りだされて。
時によっては、だから、みんな死んじゃえ。だから、自分も、死んじゃえ。祈るように呟くくせに、寂しかったんだろうか。
たった数日、たまたま同じモノに乗る同じ選ばれた子供、たったそれだけでしかない彼女が消えていく事。
自分の目の前で死を迎えるものを見たくなかったのかもしれない。顔見知りが死んだら気分悪い程度かもしれない。
それでも泣きながら、生きる事を諭すのは、それを碇シンジが行なうのは、お門違いのようで、彼の最後を暗示するようで。

自分達とは違うとされるシトを殺し、シトと呼ばれた友を未遂、すきだと云ってくれた友達をシトだから殺し、だいきらいなヒトを守る為に。
さよならが、かなしかった日。
そしておわかれを、しなければいけない日も、来る。
似たようで違う、違うようで同じ、その人にさよならと告げる時は誇らしげに、口にした。
さよなら。


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