原初

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―― 連ねた意味も、持てない小鳥。
氷室火 生来
回帰

2005年03月16日(水)
夕暮れ時には思い出さない。


どうしてそれがそうなったのかなんて、知らない。
何故そう思ったのかなんて、少しも判れなかった。
自分でさえ、手がかりの掴めない不明瞭。
ねぇ一体、どうしてなんだろう。そんな些細が、何故出来なかった。
不貞腐れていた訳じゃない。そんな幼稚はとっくに棄てた。
拗ねているなんて、一体何に。必要も理由も、見当たらなかったから。
馬鹿馬鹿し過ぎて、考えるのもいやになるくらい。
だけどやっている事は幼稚で、その心境は複雑で。
その時、何を考えていたの。何を思って、そんな事をしたの。
どうしても判らない。
自分でさえも、判れない。
判って、やれない。

思えばそれは、でもよくあった事。
例えるならば平日のだるさ。
例えるならば騒がしさの中。
例えるならば窓から見た空。
見上げる顔には、いつだってそう。何処かでそう、思っていた。
緩慢な長閑、緩々と流れては、そこに何かを置いてけぼりで。
何処かしらの、不安とでも云うのか。
まさか有り得ないなんて言い切れない。
だって自分でも、判らない事。

何故、それが出来なかったのだろうとは、いつでも。
だって簡単な事なんだ。
だって単純な事なんだ。
すごく、すごく、すごく。
平常時ならば先ず有り得ない。
こんなミス、こんなほつれ、ある筈が、無いというのに。
それでも時折は確実に。
そんな瞬間があった事は事実。

きっとただ、それだけだったんだ。
本当にそれだけ。…だったのだろうか。




手を伸ばす事が、こわかったんだ。


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